my favoriteⅢ
どうしても触れたいことがあるので、省エネのカテゴリーから外れて私事になるがお許し願いたい。
SONYミュージックグループが30周年記念に総力を挙げてコマーシャルベースを度外視して開発したと言う、CelebrityⅡと言うオーディオシステムを手に入れたのは「my favorite Ⅷ」に触れた。20数年来のヘッドホーンも見違える (聞き違える) 程のパフォーマンスを発揮するようになったので、満足してそのまま愛用していた。
ところが耳あてなんかも完全に摩滅し、また最新の技術ではどのように聞こえるか試してみたくなり、住宅ローンの完済を記念して新たにヘッドホーンを購入することとした。(庶民の贅沢の、なんと倹しいこと)
SONYに訊いて、最も suitable なヘッドホーンを教えてもらおうとも思っていたが、ふと立寄った横浜西口駅前の電気屋で最初に手にしたのが audio technica の ATH-ESW9と言う製品。音圧が凄く一発で気に入った。
前のも audio technica だったが、旧品の経年劣化か新品の技術的進歩か、低音部の音圧と高音部の伸びが加わる事により、音響的には更に違う世界が広がることになった。特にビデオ映画ではイベント音とBGMの装いが変り、DVDが今までと違う新たな観点からもう一度楽しめることになった。
以下は、いささかマニアックにもなるが (マニアックに楽しんでいるのは、色んなドアーの閉まる音の違い ۵ と、各種低音の音圧などである。後者は何故か筆者には、少なくないメンタル的好影響をもたらす。) それらの触りの紹介である。
密かに (庶民レベルとしては) 日本で屈指の音響的贅沢だろうとほくそ笑んでいる。
BGMに関しては、音楽専用CDには多少劣るものの、インスツルメント別に聞き分けられるから、今オーケストラの各パートがどの様な表情で演奏しているかも想像できて、純粋に音楽として楽しむことも、ストーリーとのコンビネーションを味わうことも出来るようになった。
ただしそれが全てと言うわけではなく、音響としては難があっても、【36 hours】のピアノ協奏曲のBGMのようなのは、牧歌的で体が受け付ける。
また、かつてベースやキーボードに親しんだことも有って、自然その方向に耳が行く。【デンジャラースビューティ2】のベースライン、【ラッシュアワー2】のチョッパーなどは耳に心地よいし、【オーシャンズ11】や【13】の懐古的コード進行のフレーズも新鮮に聞こえてくる。
更に今回新たに気付いたことは、映画音楽では超低音バスドラ音 (殆どシンセかも知れないが) が結構頻繁に使われていて、緊張を盛り上げるため効果的に使われているということである。
【戦火の勇気】、【ザ・インタープリター】、【ザ・センチネル】、【セイント】などでそれが分かる。そして緊張というよりは力任せの【レマゲン鉄橋】 (このテーマ曲は、先ごろお笑いさんが孤島等で無銭生活をするTVシリーズのBGMに良く使われていた) 。20センチュリーフォックスのテーマミュージックの低音残響にも驚いた。
音楽的には、【トップガン】や【ビバリーヒルズコップ2】のハロルド・ファルターメイヤーのフレーズが好きだが、エディマーフィーの刑事ものは軽さの相乗効果で演技が浮き上がってしまう。【デッドフォール】を見ながらカートラッセルあたりがちょうどピッタリじゃないかと感じた。
またチェビーチェイスの【フレッチ】シリーズはいかにもマイナーだが、音楽だけはファルターメイヤーだからメジャーで面白い。
【エネミーライン2】で、海軍特殊部隊チームsealsが民間機でDPRKに向け発進する時のBGMは、【ジーザスクライストスーパースター】のユダの心象風景としての戦車や戦闘機が出てくるシーンと同じテイストで懐かしかった。かつてベースラインをコピーしようとしたことがあったから。
また【another 48 hours】の銃撃戦でジョンロードばりのキーボードが入るのも嬉しくなってくる。彼のはもっとクラシカルテイストだが。
*** ベース ***
昔つき合ってもらっていたギタリストに「ベースはもっと軽く、もっと重くやって」と言われた事がある。同時に、一言で。
彼方判る?言われてる事。
筆者も最初面食らったけど、すぐ気がついた。要するに「リズム的に引きずっているのでもっと軽々と、しかし曲のベースなんだからもっと重々しく」と言う意味。
イモベースと言ったがそこまで行かない。紡いだベースラインのセンス云々がイモベースだが、何の事は無い、ここではその前段のベースとしての素質を云々されている事になる。
彼は、ビートルズの武道館講演に行ってA hard days night の最初のジャーンの音を拾ったと自慢していた。
ジョージハリソンは指のポジションを盗まれないよう後ろ向きで、ジャーン。客席に向き直りながら it's been a hard days night って始まったんだって。
日本のミュージシャン達、しばらくはC (記憶に自信がないが) のコードでお茶を濁していたが、彼だけ完全コピーだったそうな。
今スコアブックではD7sus4になっているけど、耳のいい人ホント?
彼氏あるときギタリストTTの前座を努め、ご本家は津軽ジョンガラ節をワンポジションで演奏していたが同じ曲を半小節ずつ、ハイ・ロー2ポジション切り替えて演奏してやったらお付が楽屋に怒鳴り込んできて「前座のくせに、同じ曲をやるな、仁義を知らないのかッ」
筆者のはイモベースだったが、他人より一歩でも前に行こうというプロの凄さを見聞きしていたので、その気持ちだけは見習って、つい・・・
*** キーボード ***
昔、ジュネーブの国際会議場CICGで (1985年11月レーガン・ゴルバチョフがここで歴史的会見を行い「和平のための共同声明」を発表する前の年に) 開催された、国際金属エネルギー労協の総会に出席したことがある。
会議1日目の夜のレセプションで皆と歓談していると、直ぐ近くのテーブルで少女が1人手持ち無沙汰にテーブルを指で叩いている。ちょうどピアノの練習に見えて興味を抱いたことと、ちょっと寂しそうなので、寄っていって話しかけた。
「ピアノの練習か何かしているの」
そう
「パパやママは」
向こうのテーブルで皆と歓談中
「何処から来たの」
ギリシャ・クレタ島、綺麗なところよ
ネイティブスピーカーじゃないので聞き取りやすかったのか、若いころのヘイリー・ミルズに似てかわいい。
「ピアノは好きなの」
キーボードの方が好き
「私もキーボードやるんだよ」ということで30分後に両親が席に戻るまで話が続いた。
最後に別れの挨拶をしたら、「また明日会いましょう」という。
そんな馬鹿な、明日はまた会議でレセプションも無い、「会うことなんか無いはずだ」ヒアリングに自信喪失して分かれた。
翌日、CICGに入ると、ギリシャの席に首だけ出して彼女がいる。
日本と違い、こういう会議に家族づれで来る場合もあるとは知っていたが
同伴もレセプションぐらいまでで、会議場まで子供を連れて来るとは考えられなかった。
休憩時間には何度か逢っにいった。
*******
DVDの音響については如何にもそれらしいのを見つければ嬉しくなるし、新しい発見もある。しかし一般に新しいものほど音は良いし面白いから、余り音に拘ると古い映画から遠ざかる傾向になる。
音響・音楽、総合的に最も楽しめたのは、蔵DVDの中では、2005年【トリプルX・ネクストレベル】。BOND の Victory ゴージャス!(「何だ、結局そっちか」?)
【史上最大の作戦】の頂上作戦会議でアイゼンハワーのそっくりさんが決行を決断する時、バックに時計の音が入っているのに気付いた。心理描写としては面白い。さらにリチャード・マンチ (他に【レマゲン鉄橋】【THE TRAIN】【パットン大戦車軍団】 など出演) 演ずるノルマンディ戦区ドイツ第84軍団エーリッヒ・マルクス司令官がアイゼンハワー役で「反抗は悪天候にノルマンディだ」と言う、図上反攻作戦プランを披露する時も、マルクス自らの最後 (爆撃死6日前) の誕生日の「6月6日、ノルマンディにて」とデコレーションされたケーキのカットのシーンにも、クロック音が響いている。
アイクの決断の直前の、気象部責任者スタッグ英空軍大佐の気象予報の発言の時は抑えられているから、オート・ゲイン・コントロールの効果で無ければ、意図された音入れだが、だとするとドイツ側の時計の音の方が重厚なのは何か意図があるんだろうか。
これは史実によるものかと思ったが、【アイク】での決断の時は時計の音は入ってない。その後チャーチルに決定を報告する時だけである。
【キャノンズ】では、ジーンハックマン愛用のアコースティックワゴンのエンジン音やドアの開閉音なんかはいかにもそれらしくて、嬉しくなってくる。
【バッドカンバニー】のクリスロックを連れ去るバンを尾行し始めるホプキンスなどの乗った3台の乗用車のエンジンセルのスタート音がそれぞれ異なっていて (車種が違うから当然だが、それが聞き取れることが) 面白い。
【デッドフォール】の脱獄シーンの篠突く豪雨の音響は、生暖かい雨の水温さえ感じる。
【timecop2】冒頭の舞踏会のシーン。クリスタルグラスの触れ合う音は兎も角、陶器の食器の音なんかはリアル過ぎて、5.1チャンネル要素もあって、かみさんがおやつでも持ってきたのかと思わず振り向いてしまった。
【BOND】のプロモーションビデオでは、右後ろから「カンパイ!」と声掛けられた。更に ROYAL ALBERT HALL でのコンサートのアンコールの Victory では黒人ダンサーの clap 音が微かに聴き取れる。間違いない。
【タイタニック】氷山衝突時の氷塊の甲板への落下音は、少し高音が弱いかなとも思うが、相手が木製甲板だからこんなものだろう。
【フライトプラン】階段や床の足音はまさに旅客機のもの。
【ソードフィッシュ】車の爆発炎上シーンでは、音がそれらしいと頬に火炎の放射熱さえ感じる。
以下体言止めで羅列する。
【新スタハチ】薬きょうがアスファルトにはねる音、窓ガラスの破片が飛び散る音、銃撃でタイヤがパンクしてエアー漏れの音。Ford Grand Torino のアイドリング音。(最後のは本物を知らないが)
【ダンテズ・ピーク】地震で崩落する岩石の轟き、土砂の滑落音 (全体のザーッと言う音響ではなく、一個一個の個体の発する音が拾えて再現出来ていれば本物) 、救援ヘリの機体真下からの音響、ロープのカラピナの金属音。
【プレシディオ殺人事件】サンフランシスコ市電の警鐘の音。
【アイク】チャーチルがコップからブランデーを飲む時の指とグラスの擦過音。
【沈黙の戦艦】トミーリージョーンズがレアー肉を切り取るナイフの切れ味。
【訣別の時】ハドソン川の朝霧の中のタグボートのエンジン音と警笛の残響。郊外列車の走行音、停車中のジーゼルエンジンのアイドリング音。殉職刑事の葬儀の Amazing grace のバグパイプの澄んだ音色・・・
Amazing grace how sweet the sound アメージング・グレース、何と言う優しい響きだろう。
That saved a wretch like me. 惨めに道を見失った蒙昧な私でさえ救ってくださる。
I once was lost but now am found, 汎的存在ではなく一人ひとりの背後にあって、
Was blind but now I see. 限りない愛を授けてくださる神の恩寵を今感じる。 (オリジナル意訳)
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