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ダイアモンドヘッドの中へ行って下さい

 東シナ海沿岸の孤島の電気設備の保守という苦労を分かち合っていた若手が、結婚するという話。
花嫁もよく知っている。式はハワイで2人っきりだという。
 「それは面白くないぞ、俺が付いていってやる、2人とも初めての海外で色々心細いだろう」押しかけ添乗員。長崎の旅行会社に3人前手配を頼んだ。

 福岡か大阪からかホノルルに飛んで、着陸態勢の飛行機からダイアモンドヘッドがカルデラ式火山跡だと言うことに気づく。

 immigrationで長い行列、ウヮー何時までかかるんだろう。大分進んで係官と目線が合ったら、顎をしゃくって先に行ってよしと言うように合図をした (後で考えたらそんなこと絶対するわけが無い) ように見えたので、1人でスタスタ歩いていったらポリスが2人追いかけてきて、別室にご案内された。
 愛用していた上下真っ白のスーツと、白のエナメルの靴 (日本ではそれプラス胸に赤いバラ、本当に。タクシーに乗ると「今日は結婚式ですか」とたまに訊かれた。毎日お目出度い。それに、上着を羽織ったりしようもんならもう完璧。島の若い人など渡し場ですれ違って闘争心をくすぐられるのかやたら眼を飛ばしてくる。やっと気付いて「何だ、sasayanじゃないの、どこのやーさんがこんな島に渡ってきたのかと思った」) サングラスにアタッシュケースといういでたちで、ちょっと観光客には見えない。
 また岡本某など、同年代の日本赤軍派の手配書も廻っていたころで、靴下まで脱がされて調べられた。
外で友達が待っているので早くしてくれ「ハッバ、ハッバ」【コンバット・仮面のドイツ兵、ジェームズ・コバーン】と言うが「don't mind. don't mind.」
 2人は空港の玄関で待っていてくれた。とんだ添乗員である。

 2人はハイアットリージェンシーの特別フロアー、エレベーターが止まるのに鍵がいるやつ。こちらは一般フロアー。
 夜は2人きりにしてやろうと、1人でワイキキ見物。
メキシコ料理屋に入ってウエイトレスに「この店で一番美味いものどれ」
「この店はみんなおいしいんです」当然そうくるだろうね。
メニューの一番端のにして、タコスなるものを初めて食した。その後自分からは食指が動かない。
 拳銃射撃の看板もあったが無視 (SPの件は済んだから)。

 次の日も単独行動、旅行会社に行ってダイアモンドヘッドに登るツアーは無いかと訊くと「無いけど、近いからタクシーで行けますよ」
 ホテルの前でタクシーを待つがどれがタクシーか表示が無い。それらしい停まり方のに「これはタクシーか」と訊くと、「そうだ」
予約かも知れないと、気を利かせたつもりで「誰かを待っているのか」と訊くとニヤッと笑って「お前を待っていた」
もう乗ってやるよりしょうがない。
 ダイアモンドヘッドの中に行きたい ( IN に強くアクセント) というとOK。
 2~3箇所、中に通じるトンネルがあって入っていったが、原っぱと何か軍の倉庫らしいものがあるだけ、車で待ってもらって一人で枯れ草の中を散策して戻った。それだけでホテルに戻り、料金は確か3千円程度だと記憶している。

Honolulu_2

 夕刻は3人でサンセットクルージング。
 色んな人種の観光客たちと相席ギューギュー詰めにされ、飯を食いショーを見る。
ふと思い立って、ウエイトレスにハワイ産のワインは在るのかと訊くと、「在る」と言うので1本頼む、味はどうと言うことは無いがブドウはどこに生るのだろうと言う疑問だけが残った。

 次の日は挙式する教会の在るハワイ島に渡る。
 便はつい1ヶ月半程前、客室上部が吹き飛んで死傷者を出したアロハ航空。事故はテレビで見たが、まさかそれに乗ることになろうとは ۵
 客の待ち行列に尻をむけ、ジェット噴流を浴びせてタクシーイングしていく、黒人の整備士も頼り無さげ。
そして座席は、何処にでもあいている好きな所にお座りください。

  ハワイ島の海辺の白亜のホテルについて、みやげ物屋を覘いていたら、ホテルの女支配人が居て話しかけて来た。
友達が挙式するので1人で付いてきたと片言で説明するが、なかなか信じない。後から彼女が来るんだろうとか、しつこく尋ねる。部屋の番号まで聞いてくる。今回の行動、彼らから見てよほど奇異に見えたのか知らん。
だが愛想は悪くない、ステッキガールでも紹介してくれるのかと夜まで内心期待したが何も無かった。
 明朝3人で朝食のためレストランに階段を下りていくと、レジの近くに居た件の女支配人、愛想良く「Good mornig Mr.sasayan」
2人はビックリして、「何で名前知ってるの、何時知り合ったの」
相手の記憶力にも内心驚いたが、海外のこういうシチュエーションで個人名で呼ばれる気持ち良さ初めて経験した。

 式も無事すみ、翌日、2人はスキューバダイビングに行くという、こちらはハワイ島観光が100ドルだということで予約した。
翌朝ホテルの前にガイド兼運転手が乗る黒のリムジンが横付け。
シートに座ったらすぐ発車、客は1人だという。それじゃというので、バックシートより断然見晴らしの良い助手席に移動して、しゅっぱーつ。
本来はコースメニューがあるが今日は客が1人なので何処でも行く、希望は無いかと聞かれた。
 特に無いが、一昨日サンセットクルージングでハワイのワインというのを飲んだ、ブドウは何処で採れるのかと訊くと、キラウエア火山の中腹にブドウ畑があるとのこと。行きたいと言ったが遠すぎるとのことで諦め、その他でお茶を濁す。
 コナコーヒーのサービスも2杯おかわりした。これは収穫で、日本に帰ってから喫茶店ではまずハワイコナを探すようになった。

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