予告編

 これは一連の idea プログラムの次回作の予告編である。
 希求していた、重相関プログラムのパスカル化が何とか実現できて、データファイルから3D相関図に至るプロセスが全てスタンドアローンとなった。極めて快適である。
 「単なる当所様式だけではもったいないので、次回は可能な限り汎用様式にも対応できて、かつ出来るだけ多くの機能は持たせたいし、3説明係数の4D重相関も可能としたい。さらにいよいよ Delphi ソースも開示できるだろう」という予告で、機能限定の3D図だけを、例によってヘビーを覚悟で管理日報3ヶ月分をリソースにしたものをアップロードする。ダウンロード idea4.exe (11854.5K)である。

 最初に「多重相関データ」シートを開いてもらいたい。( glut32.dll をパスの通ったディレクトリー C:\WINDOWS\system32 等に置いておいて下さい)
Y = f ( X1・X2・X3 ) となる各変数をどの様に取ってきて計算するか、当 blog に出てきた各種相関計算例が一覧表となっている。
但し期間が3ヶ月でデータ数が少ないため、トリムなどで更に削減して行った場合、相関が取れなくなったりする場合もあるかもしれない。また特性も寄与率も違ってくるが定性的な傾向は同じはずである。
左側が元データファイルの項目名による計算式で次の様な式がある。

 冷水熱量 積算 / 蒸気流量 積算 * 0.417638 = f ( 機器負荷率 ・ 冷却水入口温度 )
   吸収式のCOPである。元ファイルにはCOPそのもののデータがあるが、参考までに計算で出してみた。
      0.417638 =1/(662-90)/4.18605*1000 = 1 / ( 蒸気エンタルピ - ドレンエンタルピ ) / ジュール・カロリー比。

 ltbrw_ct ( ltbrtp_w ( 高温再生器 溶液温度 , mp_mmhga ( 高温再生器 圧力 )) - 1)
                                   = f ( 機器負荷率 ・ 冷却水入口温度 )
   臭化リチウム溶液結晶温度の特性である。
   当然ながら「Excel 関数 DLL」ページの関数がビルトインされていて使用可能となっている。
   例示のように入れ子で使用でき、引数に±定数としてオフセットも掛けられるが乗除算は不要だろう。
   Mpag を mmhg-abs にして、これと温度からデューリング式で濃度を求め、結晶温度にしている。
   低温部の安全サイドと言う意味でパラレルフローの機械は-1%、シングルフローは+1.5%にしている。

 冷却塔電力 = f ( ( 冷却水入口温度 ,-, 外気湿球温度 ) ・ 冷凍機合計冷水熱量 )
      冷却塔入熱の代用として冷凍機合計冷水熱量を使用した。ターボが運転している時には適用できない。
   ,-,は項目名中で演算子を表すための、苦肉の策である。

 冷水熱量 積算 / 冷凍機電力量 積算 * 277.778 = f ( 機器負荷率 ・ 冷却水入口温度 )
   ターボのCOPである。これも計算で出してみた。
       277.778 = 1 / 860 / 4.18605 * 1000000 = 1 / カロリー電力比 / ジュール・カロリー比である。

 項目名は「大項目」+「・」+「項目名」の形で特定する。大項目のところが数字なのは、当所のファイルがそうなっているに過ぎない。
次いで3D画面表示名、単位となっている。3D画面表示名は英数字フォントしかないからその範囲で作成せざるを得ない。
また、現在 X3 は対応していない。計算はできるが4D相関図化をビルトインしてないだけである。
 変数計算はプログラム内部では、最終的には逆ポーランド法でスマートに記述できるんだろうが、どんな計算をしたいのかまだ完全に決まってなくて、色んな関数も出てくるかも知れないので、 if と case 構文で継ぎ足し継ぎ足しして居る。 
従って演算子の数や位置で判断しているので、データファイルの項目名に「+」や「*」や「/」が使用されていると誤動作するだろう。「-」は当所でも使用しているから止むを得ないが。
 次回は、これらをユーザーが作成・編集し、INIファイルで扱えるようにする。
作業の順序としては、このシートでどの組み合わせの相関を調べるのかを決めてから、以下のデータ「項目選択」作業を行うことになる。運転していない時のデータでCOPを計算するのは無意味だからね。
 
 データの「項目選択」は「If we have the explossives.」ページの既述を再掲すると、
条件を付したい項目にカーソルを持ってきて左クリックすると、選択項目欄に項目名が転送されている。これに上限下限を設定する。サンプル数値を見れば大体どんな値か分かる。
条件は2つ設定可能で、それらのアンドまたはオア条件の成立する時間帯のデータ項目全てが、「データ抽出結果」シートに格納される。また9時~18時即ち昼間10時間だけというフィルターも掛けられる。
 これ以上説明不要だろうが、再度選択する場合に、1000件以上のデータのクリアーは、クリアーボタンよりプログラム再起動のほうが時間が早いだろうと言う点だけ触れておく。

 再度「多重相関データ」シートを開き、計算するグループ行をクリックすると行が選択される。このステップが行われないと「get_data↓」が出来ない。だって、何をどう計算して取って来れば良いのか、プログラムには分からないから。
「get_data↓」で各変数が指定の式通り計算されて中央の表に入る。
 この結果を見て、トリムを掛けたい場合は条件を設定する。時間否連続は無条件で実施。変動幅、上下限は変数ごとに設定できる。上下限の「U」「D」条件は表示をクリックすることで変わる。上下限逸脱の判定は絶対値で行っている。「D」+「10」では5や-5は撥ねられるが、-100は残る。
「トリム↓」で、これらの条件で撥ねられたデータ組は表にその旨表示されている。「delh」が否連続、「delb」が変化幅「delL」が上下限リミットである。右表にその結果が入る。データ組数が減っているね。
 使い方によっては、前「項目選択」シートで制限し忘れ、あるいは制限不足をここでカバーできる。また時間の掛る「項目選択」のファイル読込条件はそこそこで1度実施したデーターを何度も使い回しができる。勿論違う計算にも供与できる。
 トリムが終了したら、どちらのデータを使うかをセットして「regsup ⇒」で直ちに3D図が出来ている。これらの操作は全て1秒以内にレスポンスし、非常に快適である。

 3D表示の基本的な構成は「冷却塔電力について」ページに詳述してあり、基本的にそれに準じているが変化部分を述べると、
 ポリゴン表示は今までのアルファーブレンドを止めてみたが、こちらもそこそこの表示になった。4Dではアルファーブレンドが不可欠だとは思っているが。
 データのY軸方向コンター色表示は、データのバラつきに合わせ好みで調整できるようにした。Ctrl パネルの下の左2つのスライダーで色調のシフトと、レンジ幅を調節できる。
 ついでにデータポイントの大きさも調節できる、Ctrl パネルの下の右スライダーがそうである。ただし色調のように毎回計算していないので、変えるたびに再度「regsup ⇒」操作が必要である。色調は調節しながら結果を見たいから毎回計算するが、大きさはどうなるか予想できるのでその都度見る必要は無いからこれでよいだろう。
 F1~F6で座標変換した場合のマトリクスの初期化は立て続けに3Dを作成した場合不可欠だろうと入れてある。センターリングや自動スケーリングはインプリメントしていないから、視点が前進している状態で別な図を作成したら、図が表示範囲から逸脱していることがある。あわてないで視点を後退させれば、視界に入ってくる。

 それでは1例だけ実例をやってみる。
起動して「項目選択」シートの30行「AR-3 機器負荷率」をクリックし、下限を40(%)、上限を200(%)に設定する。
「data 読込み」すると、4秒後に「242 件抽出しました」となるから、「多重相関データ」シートを開く。
リソース読み込みの場合はそうではないが、ファイル読み込みの時は途中で「多重相関データ」シートに行けるため、プログレスゲージが表示してあってファイル読み込みの終了が判るようになっている。それまでの間 (と言っても数秒間だが) 以下の作業などをやろうとしたものである。
 「AR-3_COP」の行の何処でもクリックすると「3行選択」となって色が水色に変るとともに「get_data↓」出来るようになる。
 実行すると先ほど選択された242件の必要なデータが regsup に供するため用意された。
ちょっとシビアーに20%20%10%の変化幅で「トリム↓」をかけると、242件が146件に絞られた。Use trim data に check が入っているのでそのまま「regsup ⇒」すると今までのカーブとはちょっと傾向の違う負荷率65%で中折れする曲面が出てきた。寄与率は50%である。

 十分観察したら再度「項目選択」に戻り、全てクリアーした上で、「AR-3 機器負荷率」、下限40(%)、上限200(%) と26行「AR-FE-302 冷却水流量」、下限1300(m3/h)、上限2000(m3/h) のANDで選択すると184件出てくる。
「多重相関データ」シートで再度3行目をクリックして「get_data↓」し、同一条件で「トリム↓」すると、124件になったので「regsup ⇒」する。
寄与率は60%であるが、曲面は先ほどとは低負荷部の特性が異なり、しり上がりとなる。
 これが「冷却水半減で省エネ?」で提起した事象である。負荷が半分程度のとき、冷却水流量が半量および全量の玉石混淆の平均データでは効率は下がるが、冷却水全量に限定すると効率は高いままである。インバーター化で冷却水ポンプの流量まで減らして省エネしようとする場合は、冷凍機の効率低減を見越して省エネ効果を見る必要があることがグラフでしっかり判る。

Ar3copcmp_2 










Ar3slidcmp
 下は同じ条件での溶液結晶温度のグラフだが、効率と正反対の特性を示している。
即ち同じ負荷率でも冷却水流量が多い (全量の) 方が溶液濃度が低く、結晶温度も低いのが判る。

 あとは、Ctrl パネルの下のスライダーで色調を変えたり、データドットの大きさを変えて再度「regsup ⇒」したりして遊んでみてください。

 また、臭化リチウム溶液結晶温度は、blog「結晶温度は負荷率により下がる」ページに既述したが、負荷率と冷却水温度でどのように変化するか、再度じっくりと見てもらえる。式はそれなりに高い寄与率を示している。
 AR-4_COP では設定によっては「関連変数1個」となり、負荷率との関連が付かないことがあるようだ。結晶温度は負荷率によっても変るが。この辺に効率が低下した理由の一端が見えないだろうか。(「Excel 関数 DLL」ページ参照)

 また今回気付いたのは、リソースにしておけば検索スピードが極めて速いと言うことである。3ヶ月分で4秒弱だから1年分15秒で出来ることになる(2.8GHz)。今度からそうしておこう。50Mbyte/1年になるが大した事はない。
 「データと共に立体に相関図で表示されると非常に判り易い。熱プラントの運転データだけでなくいろんなデータでも扱えれば良いのに」と思っていただければ幸いである。
次回はこれの汎用化と、Delphi ソースに行く。メーカーさんに無償で差し上げると言うオファーはまだ生きている。製品に取り込んで avantage にしたいと言うメーカーさんは今の内である。

Idea4

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short summary of syoene category

 今まで60ページに亘って省エネ実績関連について記述してきたが、計画実行が行き当たりばったりの所もあり、また筆者の性癖から必要以上に受け狙いに拘泥するあまり (I am a ardent joky aficionado.【UPRISING、ジョン・ボイド】♪) 、まとまりの無い記述も多い。更に折角来訪していただいても、検索ワードから想定すると「もう少し後ろまで、或いはリンクをたどって見て貰えれば望みの場所に到達するのに」というニアミスで出て行ってしまう場合も少なくない。
 また「一見情報の山盛りに見える web 巡りに於けるこう言うカテゴリーの検索では、単なる字義や断片知識がすぐ手に届くところに無いからと言ってどんどんページを切り替えるのが風潮かも知れないが、じっくり見ていけば『ほう、このアイテムにはそんな切り口もあるのか』と定義を超えた視点から俯瞰できて結果的に為になる場合も有るのに」と残念がってもしかたがないから、全て筆者の記述能力不足と反省し、改めて省エネの各項目について、ここで概略のまとめをしてみたい。(dll の必要な場合があるので、それぞれのページの記述によって下さい)

Ⅰ 冷却塔電力について (関連記述「冷却塔電力について」「冷却水温度と湿球温度との差」「吸収冷凍機の負荷率・冷却水温度とCOP」「冷凍機・冷却塔総合の省エネ効果」ページ)

  [冷却塔能力が余程悪くなければ、冷却水温度低減による吸収式およびターボの効率増の方が冷却塔電力増よりかなり大きく、省エネに効く]
  [但し湿球温度と冷却水温度の差が4~5℃以下の場合は、無駄な努力はしない]

 冷却塔電力を冷却塔冷却熱と冷却水温度-湿球温度で説明した例を3D化 (要 glut32.dll) したのが下図である。

Ctdf18fy

 これを各断面で見ると次のようになる。
一般的に湿球温度プラス5℃以下に冷却水を下げるなと言われるのは右図の特性から来る。そこまで行かない範囲での総合の省エネ効果の一例を定量的に見てみる。

Ctdt_2

下は当所のほぼ最大時に近い冷却塔入熱 140GJ の時の電力である。大きくても1℃あたり 10kwh 程度である。

Ct_ar

 また吸収式の冷却水温度・負荷率と COP の関係を (要 glut32.dll) 、その時の代表的負荷率90%から拾うと1℃あたり 0.03 、蒸気量で1℃あたり 0.5ton となる。
 例えば、夏場湿球温度20℃位の時、冷却水温度27,8℃で運転していたが、これを1℃低減するのに電力は 10kwh 程度上昇するが、蒸気は全体で 0.5ton 低下する。CO2での改善を示したが、料金的にもずっと有利なのは明らかである。
 「冷却水温度を下げて効率を上げても、冷却塔電力増とどっちが得か判らんじゃないか」あるいは「夏場電力調整で頑張った方が、目に見えて判りやすい合理化じゃないか」という意見への回答である。
 確かに性能が落ちている場合に冷却水温度を下げるのは大変だろうが、えてして湿球温度が高い時の苦労がトラウマとなって、経験者のその後の判断力を鈍らせている場合も多いのではないか。

 また、冷却塔の式では冷却熱=140GJ で不変としているが、厳密にはCOP増により吸収式の入熱が減った分、やがて冷却熱も1℃あたり 1GJ 程度の低減になって来るはずであり、影響が一巡すると結果的に電力量増はもっと少なくなる筈である。あるいは冷却水温度はもっと下がってくる筈である。
従って 冷却水温度を下げようとしてファンを追加して、そのごく初期状態だけを見て「ほら、○○kw追加しても○○℃しか下がらないじゃないか。冷却塔動力はバカにならないんだよ」とインプリントされた経験から逃れられない経験者も多いのではないか。
 当所の冷却塔の例はちょっと有利すぎるかも知れないが、再度貴プラントの特性を見てみることである。データ提示があれば無償で3D曲線まで作成の用意がある。匿名でも可。

Ⅱ 吸収式冷凍機の部分負荷特性について (関連記述「吸収冷凍機の負荷率・冷却水温度とCOP」「高効率のための吸収式負荷率低減手法」ページ)

  [吸収式冷凍機は部分負荷に於いて大きな性能向上があるからこれを享受すべきである]
  [部分負荷にするためには、冷水流量を下げるのが効率的である]

 吸収式の冷却水温度・負荷率と COP の3D図 (要 glut32.dll) を3箇所ピックすると、下の関係が取れる。即ちこの機械の例では負荷率10%の低減は、冷却水温度0.8℃相当の効率改善をもたらす。問題は部分負荷をどうやって実現するかである。

Ar_cop_3points

 下図のような系統に於いて、現在の負荷より多目の定格の冷凍機を運転すれば、冷却水差圧が上昇して冷水バイパスが開き、冷たい冷水温度が廻り込んで冷水入口温度が下がり、出力が下がる。

C_bypass

 また冷水流量を絞っても、冷水出入口温度が定格条件でも出力は下がる。
 COPを改善させるための出力低下はどちらでも効くのか、今のところデータ的には区別できてない (「高効率のための吸収式負荷率低減手法」参照) 。またこれを説明できる理論的バックボーンも筆者には無い。
 しかし後者は当所で実績があり、また運用上も軍配が上がる。熱交とのバランスが自由にコントロールでき、蓄熱を含めた合理的運用が図れるからである。蓄熱の無いプラントでは、冷水入口温度低下による部分負荷も冷水流量を絞った部分負荷同様、COP改善に効果があるかどうか、やってみるだけである。
 データ分析が面倒だという向きには、上記同様無償で汗をかかせて頂く。

Ⅲ 吸収式の結晶温度特性について (関連記述「溶液結晶温度の挙動」「結晶温度は負荷率により下がる」ページ)

  [吸収式の部分負荷では溶液濃度は低下し、結晶温度は大幅に低下している。従って冷却水温度を更に下げて行く余地が生じる]

 吸収式の部分負荷では溶液濃度は低下し、従って結晶温度は大幅に低下している。負荷率70%台で結晶温度は1桁台になっている例がある。これは高再の圧力と温度から想定できるから、これを常時監視項目に入れれば安心して冷却水温度が下げられる。
勿論精度および変動が心配だが、間違っても結晶にはならないだろうという余裕を持たせた範囲で冷却水温度を下げて行っても、現状よりかなり下がることが期待できる。

Ar15solidt





 「冷却水温度を下げれば効率が良くなるのは、そんなの当たり前だよ。俺は昔その限界をテストしたから判ってるんだ、○○℃で結晶して来たから、余裕を見て冷却水温度は○○℃以上にするのが金科玉条だ」と言う人が居るかもしれないが、その経験の時の負荷率がどうだったか再度確認したほうが良い。夏場のフル運転時のテスト結果なら、部分負荷ではそれは当てはまらない。
 更に常時監視項目に入れれば、盲目運転とは俄然状況は異なる。





Ⅳ ターボの定格付近の効率について (関連記述「ターボ冷凍機の特性」「知らないうちに効率が ۵」「結局ターボCOPは幾ら改善したの?」ページ)

  [ターボは定格近辺で再度効率の改善がある。蓄熱槽が有る、又は系統上許されるプラントでは、ターボは定格をまたぐ範囲で運転出来れば合理的である]

 当所のターボ負荷率は100%を越えており、データ分析の結果、「モーター電力は殆ど増えないように見えるが、出力は上がる」と思っていたが、メーカーさんのお墨付きのデーターでも定格付近で、もう一発性能の上昇がある。

Tr_maker_cop_2 

 データーは負荷率100%までだが、もう少し先まで運転した感触では (2~3%のオーバーロードは許容してもらえるだろう。工場定格試験環境に対する、現場運転時の実際電圧・電流設定器の誤差範囲からその程度は織り込み済みだと思えるから) 正に「モーター電力は殆ど増えないように見えるが、出力は上がる」即ちCOPは大きく改善するように見える。あるコンサルさんの見立てでは電力は全く増えないと言う評価の数字となる

 このターボの特性と、上記ⅡⅢ項を合わせ考えると、蓄熱槽+熱交が無くても、次のような系統のプラントがあったとすれば、これらのメリットを全て取り込んだ運用が考えられる。但し吸収式の冷水流量調整機能は必要である。

Ar_turbo

















Ⅴ インバーターの導入について (関連記述「冷却水半減で省エネ?」「ポンプのオーバースペックの影響」ページ)

  [インバーターは有効であるが、有効がどの範囲かを知ってから導入すればより効果的になる]
  [またこれで冷却水を絞る場合は絞らない場合に比べて冷凍機の効率が低下するから、投資の償却計算などでは注意が必要である]
  [また冷却水系統のスライムやそれ起因のスケールが問題になる場合、スピード低下が抑制効果を低減させるかを予め検討した方が良い]

 吸収式の冷却水流量をインバーターにして、負荷によって絞ろうとする場合は、絞らないでそのまま運転した場合に比べて冷凍機の効率は低下する。一例では50%負荷率で冷却水を半分にしポンプ動力も半減できた場合に、その動力減は効率が低減した量とほぼ均衡する。従ってこの場合わざわざ金をかけて設備を導入するメリットは見出せない。
 後述するようにインバーターは、流量低減以上の動力減に繋がるから、上記比較以上にメリットは出てくる事になるが、設備投資の場合償却期間計算は効率低下分長期に亘る事になる。
 また、省エネ報告で「インバーター化により冷却水ポンプの動力○%減」といっても、反面、冷凍機効率がその分下がっているか、そちらの省エネ効果の足を引っ張っている。
 省エネを謳い、冷却水ポンプのインバーター化を推奨するコンサルさんがいたら、「それで冷凍機本体の効率はどれだけ下がる事になるんですか?」と訊いてみれば本物かどうか判る。「えっ」と言う顔をしたり、「全く変わりません。変わらない筈です」と言うところとは付き合わない。だって下の通り厳然たる事実だから

Ar3_coolwflow_cmp

 インバーターは、流量制御の場合、その時の実際揚程の下で必要流量が確保できる電力に絞ってくれるので、揚程ロスが下がれば大幅な電力削減に繋がる。

Ct_inv  左図での冷却水ポンプの揚程は、主系統ロス+冷凍機系統内ロス+冷却塔ヘッド差であるが、各部差圧は流量の2乗に比例するから例えば流量半減では1/4になる。
 従って少量運転時は殆ど冷却塔ヘッド差だけとなり、これに流量低減分が乗算されるから、この時運転される可能性のあるポンプのインバーター化のメリットは極めて大きい。
動力だけは。しかし技術屋に限らず物事は一点だけ見ていてはいけない。

 冷却水系統では更に検討が必要な項目がある。
スライムとその粘性上で発生したスケール付着を起因にすると考えられる性能低下や緑青の問題が発生するが、冷却水のスピードはこれを抑制する方向で働いていないか?という疑問である。勿論「当所はそんな問題は一切無い。ひたすら (分かりやすいインバーターの) 省エネ追求だ」と言うところは、それでよい。しかし当所でも緑青を2度経験したが、それは冷却水量半減可能な機械であって、他号機は全くその傾向は無い。
 筆者はスライムやスケールの粘着力と水流流速の関係を知らず、ここの所は定性的に流しているが、協会ででも低流速が緑青の必要条件になってないか統計を取ってくれないだろうか。
 冷却水流量低減を計画する事業所はその辺も充分検討して、後顧の憂いをなくしておいた方が良いだろう。

Ⅵ 保温の強化について (関連記述「保温徹底による給排気ファンの停止」「素人保温工事の実際」「保温板金?ラジエーター?」ページ)

  [保温の強化は機器性能には左程効かないが、反面これを徹底すれば、給排気ファンの構成によっては極めて大きな省エネ効果をもたらす。]

 これは余り理屈は要らない。年間○○○万円のメリットを信じて、ひたすら保温に努めるだけである。保温屋さんに頼んでも、思ったより早く元が取れるだろう。

Ⅶ 熱交のDTについて (関連記述「What's gonna go wrong? その2」「熱交並列運転による合理化試験」「続報」ページ)

  [熱交の1次2次DTは経年的に増大して来るが、複数台ある場合は常時並列運用でこれが低下し、システムの効率が向上する。またポンプ動力も低減する]

 当所の冷水熱交はプレート型であり、次第に経年劣化も出てきて、DTは場合によって2℃まで行った。通過熱量が大きいほど、また2次入り口温度が高いほどDTも高くなり、これら2変数で表すと chxdt.exe (要 glut32.dll) の通りであった。
 これが増大すると、
① 蓄熱槽の還り温度が低下し、蓄熱槽の容量が減る。
② ターボの冷水入口温度が低下し、出力が出なくなる。
の問題が生じる。
 この熱交の点検清掃を計画したが、伝熱板が数百枚ある。分解するとパッキンだけでもそれの何倍。費用が千万円以上ということで、見合わせているが、プレート式熱交は近年多くのところで使用されていて、これが一斉に清掃必要な時期に到達したら、業界でのちょっとした問題になるだろう。
 当所ではやむを得ず2系統ある熱交を常時並列運転とした。これで還り温度は0.5℃上昇し、蓄熱槽容量も7%増大して使い勝手が良くなった。勿論夜間電力有効利用が増加する。

Chxdt3
 また、冷水入口温度上昇によるターボCOP向上は入口温度上昇0.5℃当り0.18と評価している

 さらに当然ながら熱交並列運転でインバーターポンプ動力も削減した。

Cp67kwpara  事前検討で、小流量の時、温調が個別にあるため水流がバランスせず、片方の温度が上がる→1次流量が取られる→反対側の温度が上がるという繰り返しが起こるのではないかと心配されたが、チューニングだけで何とかなっている。
 もし小流量領域の温調の変動が問題としてクローズアップして来るなら、2次側還り温度と、1次2次流量比で変動する温度だけで制御しようとせず、2次側流量に比例した1次側の流量を流してやるようにすればより安定するだろう、最終的には温度差の積分を入れとけば良いじゃないかと、これを実装するチャンスをてぐすね引いて待っているんだが。

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水室扉とパッキンの安全性について

 省エネからまたまた外れるが、ちょっと気になることがあるので触れてみたい。
当所の冷却塔のエレベーションから、最高圧は冷却水系統であり、冷凍機入口で16kg/mm2Gある。ところが色々ある冷凍機の冷却水室の扉の仕様がかなり違うのである。

Bolt

 素人の簡略計算だが、おまけで低圧部位の立派過ぎる奴も面白いので記載してある。
これは、温水製造 (バックアップ) 用蒸気熱交であるが、第一種圧力容器性能検査後の組み立て時には、M39のボルトにメガネをかませて、チェーンブロックで締め付けている。「凄いことやるなー」と見ていたが、今度は「組み立てが終了したが、ヒートボルティングをやりたいので、熱交を運転してくれ」と来た。
温水は停止中だから、蒸気熱交を運転すると言うことは温水スタートアップに順ずる作業となる。それは面倒だ、と言うより「内圧は高々8キロだよ、これだけの設備仕様でシートパッキンなども肉厚分幅広になっているし、そんなことする必要はまったく無い」と止めて貰った。
「1年間無事運転が出来るように、万全の処置をして置きたい」ということだったが、作業状況を見ていたから「大丈夫、絶対問題ないことを請け負ってあげる」と言うことで、そのままお帰り願った。
 場合によっては、出来合いの設備を、こちらの仕様に合わせて低い圧力に書き換えて納入することも無いことは無いんだろうからこのようなことが有るんだろうが、上表などちょっとバラツキが大きすぎるのではないだろうか。
バラツキが大きすぎても、ちゃんと機能を発揮してくれれば特段言うことは無いが (価格にはね返っていても、ポンプ揚程のオーバースペックとは違って、省エネとは無関係だから) 、関連して少なからず問題を惹起する場合がある。

 例えば、DTR前部水室のボルトの安全率どの位見てるんだろう。執筆している現時点でボルトの材質は見えないから、軟鋼か銅か、いや、どうか判らないが (頭の塗装を剥がせば見えるが) 、今度分解時に見てみよう。また「古いボルトが齧って使えないから新しいのに変えました」と言って、どう見ても古いボルトとは材質の違うSSのボルトに取り替えて恬として気にしない作業者もいるから、ボルト材質管理は注意が必要である。
 軟鋼ボルトの許容引っ張り応力1800kgf/cm2などと言う数字とどう整合が取れるんだろう。
 蓋形状についてもちゃんと応力計算やってくれているんだろうね。10mmというのは外見と隅肉溶接から勝手に判断した数字だから実際は違うのかも知れないが、かまぼこ型の円周方向は良いとしても、端部円弧状平板 (上図ピンク部) には6.4トンの圧力が掛かっているんだよ。
 ボルト材質も、かまぼこ肉厚も機器完成図に記載が無いから不明だが、機器仕様に最大使用水圧「16kg/mm2G」とあるから一応設計のチェックは出来ているんでしょうね。「もしかして『こんな使い方は、将来的に問題だ』と言う点があれば早めに言って来てね。何時か噴破して、間違っても長期エロージョンコロージョンで噴破した某原発のような社会問題にならない様に」と澄まして居られないから、今度文書で問い合わせてみよう。
 この辺に関しても、工事を一括 supervise したはずのコンサルさんには、元から期待出来ない。えっ「機器製作は専門のメーカーに任せればいいじゃないか。安全率も機器によりメーカーによって違うのは当然だよ。」?その通りだろう。だけど安全率が限りなく1に近づいていたら、問題にして欲しいね。えっ「気付かなかった」?
 設計上はセーフだとしても、十数年の運転メンテ中にもし作業員が数本ボルトの締め付けを弱くしてしまったら?隅肉溶接内部に巣があったら?3m/secの流速の冷却水が180度方向転換するところだから、エロージョンでも起こしたら?日本屈指の大A社さんとしてこの辺の考え方はどうなっているか知りたいわけ、こちらとしては。
「大丈夫です、ボルトはちゃんと締め付けトルク管理することになっていますから」と言われるかも知れないが、「ちゃんとトルク管理した」という事のチェックは誰がするんでしょうね?と言うことで話題は次に進む。

 当該DTRのチューブ洗浄を実施した日の夜、寝入りばな、「冷却水が噴出して向こう側の冷凍機にまで飛散する勢いだ」という電話でたたき起こされた。弁操作を指示し、メーカー作業員も急遽対応するとの事でこちらの対応も必要だ。自宅から職場までドアーツードアー50分弱の筆者としても急遽出社せざるを得なくなった。周囲の盤も水被ってないだろうね。
 実は昼間、作業終了後水張りした時若干漏れが出てきた。右上の隅っこで、作業員が増し締めしたらまだ大分締まる。「締付けのチェックはやったのか」と聞くと「ちゃんとトルク管理しています」と言うが「現実に出来てないじゃないか」
蓋をもう一度開けて貰おうとも思ったが、時間も迫る。やがて漏れも止まったので試運転を行い、一件落着としてそのまま運転に引き渡したが、その判断が甘かった。その後の発停で漏れ出したものである。それもジャッキ穴から勢い良く。
開けてみるとゴムパッキンがジャツキ穴まで動いていて、そこから噴出したものであった。
 予感でもないだろうが、幅10ミリ強の殆どゴム片とでも呼びたいパッキンを切って衝き合わせただけの形状が気になって、昼間作業員と話をしていた。
「パッキンの突合せ部は接着剤付けてるの?」「付けてます」「蓋との間は?」「付けてるけど単に位置決めだけです。固定はやはりボルトの締め付け力です」
この会話の後、ボルトの締め付け不足によると思われる微少リークから、この本格漏洩が予想できなかったのは、筆者の危機予見力もまだまだだが、上表では軟鋼だとするとボルトの比例限度も超えるよ。少なくても張力と伸びは比例しなくなっている範囲だよ。パッキンの固定をその様な状態のボルトの張力に期待していいの?

Packing

 見ると、蓋の外周にはストッパーらしき鉄片が溶接してある。ここまでパッキンを持ってこないとしっかりした位置決めは期待出来ない。
高圧仕様では、あるいは初期仕様では、そうなっていたが、低圧での運転実績もあることから次第に簡略化されここまで退化したのでは無いだろうか。ボルト耐力もそうだが、この辺も「設計屋さん、現場に出てきて下さい」と言ってる所以の1つでもある。現場メンテ要員の一人ひとりまで、必要な範囲でのボルト材質や設計の考えを周知できてるんでしょうね。
 まさか無いと思うが、万が一「外からじゃパッキン形状や、塗装の上からじゃボルト材質も正しいかどうか、設計屋でも誰が見ても判らないじゃないか」と言う反論があるとすれば「現場に出てきて」と言うのは、「自分の設計したものがどのように運用され、どのようにメンテされ、ユーザーやメンテ要員にどのように評価されているかを知るとともにメンテ・運転ポイントに対する自分の設計思想が何処まで理解されているかを改めて知り、今後の設計と体制作りに反映してください。要するに現場主義。それが安全・省エネに繋がるんですよ」と言う主旨を端的に表した言葉なんです。

 C社のパッキンもかつて同様な形状だったが、その様な変形を抑制するためか四角の成型メタリックパッキンで、締付け力にムラがあると、あるいはムラは無くてもシート面との馴染が悪いと、なかなか微少漏洩は止まらなかった。M20のボルトを幾ら締めても止まらないので業を煮やして、蓋の構造上許容できたのでゴムの1枚もののパッキンに変えてもらったら、その後一切リークは無くなった。

Mpaking

 その点B社のは、溝の中にOリングを埋め込んであって位置決めはしっかりしているし、シール性は安定している。Oリングまでのスリットになる部分には防錆のためグリース塗布までしてくれる。この様な心遣いを次世代にしっかり伝えて欲しいね。従ってOリングの接続断面が直角に合わさっていることを確認し、「プロにこの様なことを言うと叱られるだろうけど、忘れ物しないでね」と言うだけで後の蓋締めは任せておける。

*** 次世代へしっかり伝えて欲しい ***
 技術立国における、2007年問題の危惧があって、技術職種の処遇相互研鑽などについても心配していたが、吸収式の教科書を探しに横浜ルミネの有燐堂に行って愕然とした。機械工学の書棚が1つしかないのである。
広い店舗面積に色んなジャンルの書籍のエリアーが40程あって、それぞれが5,6個の書架の集合になっているが、工学のエリアーにプログラム関連書籍は花盛りなのに、電子工学が1つ、機械工学も1つの書架である。特に機械工学はボイラー・冷凍機などの受験過去問が半分で見るべき本は更に少ない。
 売れ筋比率で在庫も調整してるんだろうが、日本に機械屋は居なくなってしまうのか?皆がプログラムばっかり勉強して如何するんだろう。勿論コンピューターも必要だが、3次元現実世界へのインターフェイスはメカだろう?
「処遇が問題?」ページでも心配したように、エレベーターは辛うじてぶら下がり、電車は扉を開けて失踪し、エスカレーターはシュレッダーもどきとならないように、設計製作段階で万全の安全機構と、メンテフリー思想を組み込む必要がさらに出てくる。
 日常生活で享受できる利便性のコストは無償ではないことをもう一度認識しよう。
「大丈夫です、充実した技術力が発揮できる体制と制度を、メーカー初め官民挙げて各級組織で構築します」と言ったって、技術マインド、技術屋センスのある人が多くなければ、それもままに成らないよ。
 そう言う意味では、今機械部門を目指している技術屋の卵さん達。今後は貴方たちの売り手市場だから、心配なく勉学に励んでください。

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my favoriteⅢ

 どうしても触れたいことがあるので、省エネのカテゴリーから外れて私事になるがお許し願いたい。

 SONYミュージックグループが30周年記念に総力を挙げてコマーシャルベースを度外視して開発したと言う、CelebrityⅡと言うオーディオシステムを手に入れたのは「my favoriteⅡ」に触れた。20数年来のヘッドホーンも見違える (聞き違える) 程のパフォーマンスを発揮するようになったので、満足してそのまま愛用していた。
 ところが耳あてなんかも完全に摩滅し、また最新の技術ではどのように聞こえるか試してみたくなり、住宅ローンの完済を記念して新たにヘッドホーンを購入することとした。(庶民の贅沢の、なんと倹しいこと)
 SONYに訊いて、最も suitable なヘッドホーンを教えてもらおうとも思っていたが、ふと立ち入った横浜駅西口の電気屋で最初に手にしたのが audio technica の ATH-ESW9と言う製品。音圧が凄く一発で気に入った。
前のも audio technica だったが、旧品の経年劣化か新品の技術的進歩か、低音部の音圧と高音部の伸びが加わる事により、音響的には更に違う世界が広がることになった。特にビデオ映画ではイベント音とBGMの装いが変り、DVDが今までと違う新たな観点からもう一度楽しめることになった。
 以下は、いささかマニアックにもなるがそれらの触りの紹介である。密かに (庶民レベルとしては) 日本で屈指の音響的贅沢だろうとほくそ笑んでいる。

 BGMに関しては、音楽専用CDには多少劣るものの、インスツルメント別に聞き分けられるから、今オーケストラの各パートがどの様な表情で演奏しているかも想像できて、純粋に音楽として楽しむことも、ストーリーとのコンビネーションを味わうことも出来るようになった。コンビネーションだから【コラテラル】などに見られるようにBGMがフェードアウトしてストーリーが表に出てくるというような入れ替わりは余り好きくない。
 また、かつてベースキーボードに親しんだことも有って、自然その方向に耳が行く。
【デンジャラースビューティ2】のベースライン、【ラッシュアワー2】のチョッパーなどは耳に心地よいし、【オーシャンズ11】や【13】の懐古的フレーズも新鮮に聞こえてくる。
 更に今回新たに気付いたことは、映画音楽では超低音バスドラ音 (殆どシンセかも知れないが) が結構頻繁に使われていて、緊張を盛り上げるため効果的に使われているということである。
【戦火の勇気】、【ザ・インタープリター】、【ザ・センチネル】、【セイント】などでそれが分かる。そして緊張というよりは力任せの【レマゲン鉄橋】 (このテーマ曲は、先ごろお笑いさんが孤島等で無銭生活をするTVシリーズのBGMに良く使われていた) 。20センチュリーフォックスのテーマミュージックの低音残響にも驚いた。
 音楽的には、【トップガン】や【ビバリーヒルズコップ2】のハロルド・ファルターメイヤーのフレーズが好きだが、エディマーフィーの刑事ものは軽さの相乗効果で演技が浮き上がってしまう。【デッドフォール】を見ながらカートラッセルあたりがちょうどピッタリじゃないかと感じた。
またチェビーチェイスの【フレッチ】シリーズはいかにもマイナーだが、音楽だけはファルターメイヤーだからメジャーで面白い。
 【エネミーライン2】で、海軍特殊部隊チームsealsが民間機でDPRKに向け発進する時のBGMは、【ジーザスクライストスーパースター】のユダの心象風景としての戦車や戦闘機が出てくるシーンと同じテイストで懐かしかった。かつてベースラインをコピーしようとしたことがあったから。
また【another 48 hours】の銃撃戦でジョンロードばりのキーボードが入るのも嬉しくなってくる。

 *** キーボード ***
 昔、ジュネーブの国際会議場CICGで (1985年11月レーガン・ゴルバチョフがここで歴史的会見を行い「和平のための共同声明」を発表する前の年に) 開催された、国際金属エネルギー労協の総会に出席した
 会議1日目の夜のレセプションで皆と歓談していると、直ぐ近くのテーブルで少女が1人手持ち無沙汰にテーブルを指で叩いている。ちょうどピアノの練習に見えて興味を抱いたことと、ちょっと寂しそうなので、寄っていって話しかけた。
「ピアノの練習か何かしているの」
そう
「パパやママは」
向こうのテーブルで皆と歓談中
「何処から来たの」
ギリシャ・クレタ島、綺麗なところよ
ネイティブスピーカーじゃないので聞き取りやすかったのか、若いころのヘイリー・ミルズに似てかわいい。
「ピアノは好きなの」
キーボードの方が好き
「私もキーボードやるんだよ」ということで30分後に両親が席に戻るまで話が続いた。

 最後に別れの挨拶をしたら、「また明日会いましょう」という。
そんな馬鹿な、明日はまた会議でレセプションも無い、「会うことなんか無いはずだ」ヒアリングに自信喪失して分かれた。
翌日、CICGに入ると、ギリシャの席に首だけ出して彼女がいる。
日本と違い、こういう会議に家族づれで来る場合もあるとは知っていたが
同伴もレセプションぐらいまでで、会議場まで子供を連れて来るとは考えられなかった。
休憩時間には何度か逢っにいった。
 *******

 DVDの音響については如何にもそれらしいのを見つければ嬉しくなるし、新しい発見もある。しかし一般に新しいものほど音は良いし面白いから、余り音に拘ると古い映画から遠ざかる傾向になる。
 音響・音楽、総合的に最も楽しめたのは、蔵DVDの中では、2005年【トリプルX・ネクストレベル】。BOND の Victory ゴージャス!(「何だ、結局そっちか」?)
 【史上最大の作戦】の頂上作戦会議でアイゼンハワーのそっくりさんが決行を決断する時、バックに時計の音が入っているのに気付いた。心理描写としては面白い。さらにノルマンディ戦区ドイツ第84軍団マルクス司令官がアイゼンハワー役で「反抗は悪天候にノルマンディだ」と言う、図上反攻作戦プランを披露する時も、マルクス自らの最後の (爆撃死1週間前の) 誕生日の「6月6日、ノルマンディにて」とデコレーションされたケーキのカットのシーンにも、クロック音が響いている。
 アイクの決断の直前の、気象部責任者スタッグ英空軍大佐の気象予報の発言の時は抑えられているから、オート・ゲイン・コントロールの効果で無ければ、意図された音入れだが、だとするとドイツ側の時計の音の方が重厚なのは何か意図があるんだろうか。
これは史実によるものかと思ったが、【アイク】での決断の時は時計の音は入ってない。その後チャーチルに決定を報告する時だけである。
 【キャノンズ】では、ジーンハックマン愛用のアコースティックワゴンのエンジン音やドアの開閉音なんかはいかにもそれらしくて、嬉しくなってくる。
【バッドカンバニー】のクリスロックを連れ去るバンを尾行し始めるホプキンスなどの乗った3台の乗用車のエンジンセルのスタート音がそれぞれ異なっていて (車種が違うから当然だが、それが聞き取れることが) 面白い。
【デッドフォール】の脱獄シーンの篠突く豪雨の音響は、生暖かい雨の水温さえ感じる。
【timecop2】冒頭の舞踏会のシーン。クリスタルグラスの触れ合う音は兎も角、陶器の食器の音なんかはリアル過ぎて、5.1チャンネル要素もあって、かみさんがおやつでも持ってきたのかと思わず振り向いてしまった。
【BOND】のプロモーションビデオでは、右後ろから「カンパイ!」と声掛けられた。
【タイタニック】氷山衝突時の氷塊の甲板への落下音は、少し高音が弱いかなとも思うが、相手が木製甲板だからこんなものだろう。
【フライトプラン】階段や床の足音はまさに旅客機のもの。
【ソードフィッシュ】車の爆発炎上シーンでは、音がそれらしいと頬に火炎の放射熱さえ感じる。
 以下体言止めで羅列する。
【新スタハチ】薬きょうがアスファルトにはねる音、窓ガラスの破片が飛び散る音、銃撃でタイヤがパンクしてエアー漏れの音。Ford Grand Torino のアイドリング音。(最後のは本物を知らないが)
【ダンテズ・ピーク】地震で崩落する岩石の轟き、土砂の滑落音。救援ヘリの機体真下からの音響、ロープのフック金具の金属音。
【プレシディオ殺人事件】サンフランシスコ市電の警鐘の音。
【アイク】チャーチルがコップからブランデーを飲む時の指とグラスの擦過音。
【沈黙の戦艦】トミーリージョーンズがレアー肉を切り取るナイフの切れ味。
【訣別の時】ハドソン川の朝霧の中のタグボートのエンジン音と警笛の残響。郊外列車の走行音、停車中のジーゼルエンジンのアイドリング音。殉職刑事の葬儀の Amazing grace のバグパイプの澄んだ音色・・・

Amazing grace how sweet the sound          アメージング・グレース、何と言う優しい響きだろう。
That saved a wretch like me.                    惨めに道を見失った蒙昧な私でさえ救ってくださる。
I once was lost but now am found,       汎的存在ではなく一人ひとりの背後にあって、
Was blind but now I see.            限りない愛を授けてくださる神の恩寵を今感じる。 (オリジナル意訳)

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高効率のための吸収式負荷率低減手法

 当所で吸収式の冷水流量を下げて、低負荷時の高効率を享受しているのは「吸収冷凍機の負荷率・冷却水温度とCOP」「冷凍機・冷却塔総合の省エネ効果」ページなどで既述だが、下図の系統構成に於いて吸収式が負荷を下げた分、殆どの場合冷水熱交の出力でカバーすることになる。15GJ×2の範囲内での冷水熱交の出力増分はもともと回っているポンプの動力増だから僅かである。
 もし小型冷凍機を追起したとしても、冷却水ポンプ、冷水ポンプ、冷凍機ポンプの無負荷動力 ( Q=0のモーター動力「小ポンプ関係省エネ実績」ページ参照 ) 分無駄になるが、それにより享受できる経済性から見ればずっと小さい、ということで実施しているものである。
 当所にはもともと各号機冷水流量調節計と通信回線が有り、監視装置とは別の特殊プログラムで操作できるようになっていたが、いかんせんシステムからのアンサーバックの吸い上げが20秒も掛り、怖くて操作しにくい。またその間、2台の監視画面のうち1台が監視できなくなるなどの問題が有ったが、今回の更新でアンサーバック3秒、汎用監視システムから操作可能とし、きめ細かな蓄熱放熱運用と併せて、吸収式部分負荷運用に繋げたものである。

C_bypass_2

 ところが負荷率は何も冷水流量だけでなく冷水DTによっても変る。当然である。
 上記部分負荷の場合は流量が足らず圧力が低下し、熱交ポンプインバーターで出力を増やすわけであるが、一方冷水系統には差圧制御のためのバイパス配管があり、反対に吸収式の冷水が需要家の流量を上回るとここが開いて圧力上昇を抑える。
従って、バイパスフローが流れると冷水往温度が冷水還ラインに流れ、冷凍機入口温度が低下して、出口温度制御が入っていてここが一定なら冷水DT低下によって負荷率が下がる。
 これらDTによる負荷率低減とCOPはどう関係するか。流量低減と同じ様に影響するならわざわざ「冷却水量を容易に調節できるシステム」などというものが無くても負荷率低下による効率増を享受できるはずである。冷凍機を多めに運転すれば効率は良くなることになる。
当所の様に熱交との負荷配分により動力増を出来るだけ抑制するという手法は取れないから、多めに運転する分のポンプ動力増と差し引き計算が必要だと言う点を甘受すれば当所のような設備対応も不要になる。
 また「知らないうちに効率が ۵」ページのような、バイパスで冷凍機の能力をカバーしてやる系統がある場合にも、バイパスが流れればDTが低下する。(と言うよりも逆に出力が少ないからバイパスが流れるという事だが) この負荷率低下も効率上同様の効果があるのかという疑問もわいてくる。
 と言うことで流量とDTに効率に関して何らかの差が有るかどうかを見てみる事にした。

 出来るだけ多くのデータが欲しいので、例によって当所監視装置更新後から現在までの冷水差圧バイパスが流れている時の各号機の運転データと流れていない時の各号機の運転データを平均すると下表になる。

Ar_bypass_2

 AR1~AR3は 2000RT パラレルフローであるが、たまたまバイパスの有無に係わらず負荷率も、COPも、更には溶液濃度も、ついでに冷却水温度も平均的にはほぼ同等となり、従ってバイパスによる冷水入口温度低下分冷水流量が増えた形になっている。要するにどちらでも、負荷率が同等ならCOPも同じに見えて、この限りでは冷水入口温度が下がることによる負荷率低下も流量制御による負荷率低下も効率改善の上では変わらないことになる。
一方でAR4~AR5は 1000RT 以下シングルフローだが、冷水差圧バイパスが流れている時の平均は負荷率が10%程度低く、COPも意味ありげに下がっている。冷却水温度が多少高いので効率が悪化していても良いことになるが、負荷率が低いんだから冷却水の影響以上に下がったと言っても良いかもしれないし、データのバラツキかもしれない。バイパス有りのデータは (バイパス量が様々だから) 余りにも数が少なすぎる。
 またバイパスの有無でデータを区別してその平均のCOPが同等だったとして、果たして今の命題の「冷水入口温度低下による負荷率低下も流量制御による負荷率低下も同様に効率が改善する」と言えるかどうかに疑問は残る。Comment proposez vous de prouver cela、Monsieur.

 そこで考えたのは、負荷率従って出力=冷水流量×冷水DTだからこの2要素から計算した出力が同じところのCOPが同等なら上記命題は正しいと考えてよいのではないかと言うことである。図示すれば下図のようになる。

35d_cop_2

 これを表現するのに最適のツールは?と言うことで、早速4Dに出番がきた。
 過去2年間の、負荷率40%以上のデータを洗い出し、出力を含む各説明変数毎20%のトリムと、合わせて「準リアルタイムCO2排出量グラフ」ページのco2yenp.exe等でも分かるように、冷凍機発停時にはポテンシャル遷移分エネルギーの出し入れがあって効率が変わるから、連続運転条件でトリムをかけ、COP = f (冷水流量・冷水DT・冷却水温度) の重相関を4Dにしたのが、ar1cop_csfl_dt_colt.exear2cop_csfl_dt_colt.exear3cop_csfl_dt_colt.exear4cop_csfl_dt_colt.exear5cop_csfl_dt_colt.exe である。果たして結果や如何。
 ダウンロード ar1cop_csfl_dt_colt.exe (1244.5K)を実行して、曲面軸作成変数を一番下の「Cool_Tmp」にすると、望む座標配置になる。データを消したり、曲面を消したり枚数を変えたり、上下左右色んな角度から観察して、なんとなく上図の傾向になっている感じがするが今一はっきりしない。上図の赤点線が見えないからである。
 各冷却水温度毎の相関曲面に同一出力となるカーブを描かせても良いが、ちょっと特殊仕様となって面白くない。汎用性をねらい、縦軸がCOPなんだから、ここでは逆に考えてCOPのコンタを描かせることにした。以前の3Dではデータの色合いがその働きをしていたので余り必要性を感じなかったが、4Dでは不可欠だということでコントローラーの「contour」にcheckを入れる。
contour line では無く、また一番上の青の曲面などは見難いが、曲面のポリゴンの色が変わってCOP0.1毎のラインが表示される。表示方法がこれで良いとは思わないし、表示に0.01の誤差もあるがとりあえず上記検討に供するためのやっつけ仕事なのでご容赦願う。

4d_conto

 さてそれでは一番上のCool_Tmp = 25.82のカーブ上のCOP1.5のコンタの部分を全てピックして結果をコピーして並べ、DTと流量から熱量を計算すると下表のようになる。右端の熱量のところでCOP1.5の同一値となる事になり、とくに16GJ以上などの範囲に於いてははっきりと上図の傾向が成立していると言って良いのではないか。
即ち、DTの変化であれ流量の変化であれ同じ出力であれば、同等のCOPになるということである。

35d_pick

 しかし、これが普遍的な傾向かと他号機を見てみると、少しコンタのカーブが異なるようである。出力とCOPが一致しないがDT側と流量側の動きが同等であるから同じような影響だろうといえないことも無いし、相関の寄与率 (AR1:0.62、1702件、AR2:0.73、1846件、AR3:0.63、964件、AR4:0.38、910件、AR5:0.54、2140件) も低いものもあるから参考にならない場合もあるだろうが、定性的にはDTの変化であれ流量の変化であれ部分負荷では効率は上がると言えそうな気がするが、ここに来て筆者の技量の限界にぶち当たった。
データを眺めるだけで、吸収式の理論がまるで咀嚼できてないから、何故そうなるかが説明出来ない。
 従ってまたもや「annoying result.」に近くなったが、これ以上話を進められない。理論の学習が必要である。数年前関内の有燐堂に吸収式の良い教科書があるのを見つけたが、このような blog をものにするとは考えなかったので買い控えていたら既に無くなっていた。そのうち八重洲ブックセンターにでも行ってみよう。

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冷却水半減で省エネ?

 「営業コンサル」ページの雑談 tips で「吸収式なら冷却水量はそのままで、部分負荷にした時のCOP向上によるガス・蒸気代削減とどっちが得かの検討も是非。出口弁を絞るだけなら、断然こちらに軍配」と言ったが、本当かと言う疑問もあるだろうからこれを検証してみよう。
 
 当所の吸収式3号機は冷却水ポンプが2台有り、冷却水量半減運転が可能である。この運転データから計算してみる。
まず、冷却水量半量 (変動するため650~750m3/hの範囲とする) で運転した時のデータを採取する。期間は出来るだけ多くのデータを取れるよう2006年5月1日~2008年3月22日とした。製造冷熱は14.9GJ~9.6GJの範囲に分布している。
次いで、同じ期間のかつ同じ製造熱量範囲の冷却水量全量 (定格は1371m3/hであるが、1300m3/h以上とした) 運転した時のデータを採取する。
これを対比すると、下表になる。

Ar3_coolwflow_cmp

 冷却水量半量の時の平均COPは1.40に対し、同等製造熱量で冷却水量全量の時の平均COPは1.55となった。「ほうら0.15も有利じゃないか」と言っても良いが、冷却水温度が下がっている。また負荷率は上がっている。前者は全量運転に有利、後者は半量運転に有利に働いる筈である。
この補正を arcop.exe を使ってやってみる。 arcop.exe は吸収式1号機のデータであるが、傾向的に左程変らないし結果論として補正のウエイトも小さいし、諸兄が直接操作できるものだから、復習の意味も兼ねてこれを使う。
 相関曲面で適宜右クリックすると下のポリゴンがピック出来る。全量・半量のそれぞれ平均 (の差) に対応した点のつもりである。
「その位置は回帰式面です cop = 1.47 _  load_factor = 50.00 %  col_tmp = 28.40 'C」
「その位置は回帰式面です cop = 1.50 _  load_factor = 56.00 %  col_tmp = 27.40 'C」 (下図)

Ar3_coolwflow

 従って、冷却水温度および負荷率での COP の差は 0.03 であり、冷却水量全量・半量による純然たる差は 0.12 となる。
ポンプ動力減がこれより大きければ、冷却水量を半減するメリットがあるし、その逆の場合は止めた方が良い。またインバーターなどの設備費が何年でペイするかを算定している場合は、COP 低下に相当する金額分伸ばす必要がある。
 時間の平均値で考えると、半量運転のCOP 1.40 に対し冷却水量全量にすれば 1.52 となる事になる。この差は蒸気の場合 3.870ton/h から 3.535ton/h へと 0.335ton/h 減少する。一方で当所3号機では冷却水ポンプが1台→2台運転となり実際の電力量差はちょうど 100kw である。蒸気製造単価と電力従量料金的にはほぼ等しいのではないか。(あやふやな言い方は今後の両者の料金動向が不透明である事に起因する)
 従って、当所ではここの運転は全量で行くか半量で行くか、経済性で悩む必要は無い。どちらでもやりやすい方でよい。但しガス炊きの計算は出来ていないので、該当プラントの方は同様に計算して悩んでください。
一方 CO2 で比較すると、蒸気分減 57kg/h 電気分増 36kg/h となり、全量でCOP増を享受した方が有利である。( CO2 原単位は余り厳密ではない。誰かがこう言うことにしておこうと決めた数字だから適当に入れてもらえばよい。自分んちの冷凍機がどんな傾向を示すかを検証する方がよっぽど重要)
 ここで「出口弁を絞るだけなら、断然こちら者に軍配」と言う言葉が検証できる。ポンプモーター入力が流量に比例し、流量半減で電力も半減する場合にちょうど吸収式のCOPの差と経済的に均衡する。従って全量ポンプ1台運転で出口弁を絞ってモーター入力を減らしても却って損になるわけである。揚程増を来たし、左程電力が減らないからである。「ポンプのオーバースペックの影響」参照。
 吸収式の負荷特性は、当社のが特別な訳は無いから、何処でも大なり小なり同様の特性であり定性的に間違ってはいないだろう。後は貴プラントの特性を分析してみる事である。ツールは当 blog に置いてある。regsup2.xls が有益のはずである。あとのプログラムのソースは使ってやろうと言うメーカーさんに差し上げる。
 また面白いことに、冷却水量全量の方が溶液濃度が1%程度低くなっている。これが効率の良い原因であろう。冷水温度は低いから「annoying result.」でみた「冷水温度が高くなると、蒸発器の蒸発温度、蒸発圧力が高くなり、蒸発した冷媒は溶液の濃度が低くてもよく吸収されるようになります。即ち冷水温度が高いほど溶液濃度は低くなり、再生器における溶液温度も下がってきます。これはいいかえると、煮詰める温度も濃度も低くてよい訳ですから、燃焼に要するガス量もその分だけ少なくてすみます。」と言う状況とは違う要素が支配していることになる。また負荷率も高いのに、である。それぞれの平均値同士を代入して溶液濃度を出すのは気が引けるが、各構成データが全て同様の値になっているから、個々に計算して平均してもほぼ同じだと思われる。

 さて、それでは一方のインバーターはどうなるんだろう。設備投資が何年でペイするかと言う観点のストーリー立ても多いだろうから、年ベースの数字で見てみよう。
 半量運転が当所3号機のように250時間/年あるとして、流量半分でインバーターによりモーター入力半分と言う場合は蒸気量削減 84ton と電気量削減 25,000kw のバーターとなる。
この辺がバランス点であるが、インバーターでは状況により更なるメリットが生じる。それは運転状態によっては必要揚程が低減してくるからである。即ち当該冷凍機の冷却水系統の各部差圧は流量の2乗に比例するから1/4になり、冷却水母管の差圧が一定でも (統合冷却塔の場合で、他の冷却水ポンプがかなり運転していても) その分ポンプ揚程が少なくて済む。さらに当該冷凍機の冷却水量が支配的な場合は冷却水系統全ての圧力ロスが1/4近くなり、一定なのは冷却塔上下の水頭差だけと言うようなことになる。インバーターがこの低減も拾ってくれれば、大幅な電力減になる。
 一例として、冷却水量半減で電力が1/3および1/4になるとして、年間250時間この様な運転ケースがあるとすれば、下表の通りである。従って、インバーターを導入して何年でペイするかと言う計算には、冷却水量半減で電力が1/4になったとしても、蒸気はどれだけ増えるか、このケースでは年間十数万円のメリットで算定しなければ片手落ちである。
また、 CO2 の低減に関しては冷却水量半減で電力が1/4になる場合でも、蒸気量を減らす方が有利である。
 勿論運転チャンスが増えればメリットも増えるし、もともとあるポンプのオーバースペックを解消しようとする目的なら別の計算が成り立つが、ここでは半量と全量の比較だけに絞った話であり、またガス炊きは定量的に把握してないので念のため。

  年250時間半量運転する場合の比較   増減    製造原価従量料金k\(typ.)       CO2-ton
  ton,kwh      増減       差引き   増減   差引き
   COP1.401→1.522の蒸気量減 84      250           -    14       -
  冷却水量半減で電力1/3の場合 33,300      330         80    12      -2
  冷却水量半減で電力1/4の場合 37,500      380       130    13     -0.7

 この辺まで立ち入らず、インバーターによる電力削減だけが一人歩きする傾向が多いが、思うに電力削減などの単純に目に見える効果は誰の目にも見え、「今月は幾ら減らしました。料金は幾ら減です。」と言うような話は素人にも判りやすいからであろう。その反面冷却水流量が減った分、場合によっては効率が下がっているはずであるが、これは負荷率・冷却水温度など色んな要素で変動しているから、詳細に分析してみないとわからない。従って両者の得失併記の総合検討になかなかお目に掛かれないことになる。まさか作為的に埒外だなんてことは無いんでしょうね、冷却水量半減やインバーターを推奨するコンサルさん。
 夏季ピーク電力調整期間に於ける冷却塔ファン運転も同様である。「冷却水温度と湿球温度との差」ページで見たように、湿球温度が高い時の話は論外としても、ファン台数も (極数も) ギリギリ押さえ、電力量を減らして「今月の調整量は幾らでした」と自慢する。湿球温度が極端に高い場合はともかく、それより多いガス代が掛かっているはずなのにである。勿論 CO2 についても同様である。
 要するに、一義的に表現できる値の削減は一言ですむから誰にでもわかるが、種々の要因により変動する値の分析は判りにくいから、良くて敬遠、悪くて恣意的に目を逸らされているのではないだろうか。

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結局ターボCOPは幾ら改善したの?

 前ページでターボのCOPの落ち込みの改善対策をやったら、対策前をクリアーしたに止まらず、去年の同時期に比べてもCOPで平均0.26上回る結果になった。この分も省エネの得点にしようとしたら、「冷却水温度は下がっている。また冷水入り口温度も多少上がっている。これらはCOPにプラスに働いているんだろ。その分は差し引くべきだ。また、冷水流量も下がっているから、その影響の定量的把握が必要だ」と言うクレームが付いたので、以下に見てみよう。

 まず冷水流量だが、COP低下の原因調査中に、冷水出口温度が上がり気味でバイパスが開いていたから、流量を減らしたら出口温度が下がってバイパスが閉じ、結果として入口温度が上がってCOPが回復しはしないかと絞ってみた。特に変化はなかったがそのままになっていたものである。
従ってまずこれを従来どおりに戻したのが下表である。若干多めだが、バイパスの特性を見るためバイパス調整温度設定5.0℃以下 (即ちバイパス全閉)、冷凍機出口温度設定4.5℃以上の範囲になるぎりぎりまで増やした。4.5℃だと冷凍機はまだ余裕綽々の可能性があるからである。

Tr_cop_cmp2_2

 この状態で去年と比較してみる。
まず1.07℃下がっている冷却水温度の影響だが、復習の意味も含めて trcop.exe でチェックしてみよう。glut32.dll はあるね。
相関曲面の上の縁 (負荷率125%) を適当に右クリックしていくと、冷却水温度27.4℃、COP4.60と言う点 (実際はポリゴン) と、冷却水温度26.2℃、COP4.65と言うポリゴンがピックできる。

Tr_cop_3d_2

 さらにデーターの塊を越えた手前側で同様に負荷率100%のあたりを探すと、冷却水温度27.4℃、COP3.95と、冷却水温度26.2℃、COP4.00がピックできる。要するに去年と今年の平均冷却水温度差のCOPへの影響は、ほぼ0.04 (=0.05×1.07/1.2) と言うことが相関曲面から出て来る。 (当所で常に正しいとは言っていない。控えめに言って「このデータからはこの数字が出てくる」と言う範疇)
 次に冷水入口温度は0.51℃上がっていて、相関式で1℃当たりCOP0.5と言う分析をしたので、0.255アップしているはずだと言うことになるが、今まで見てきたようにこれは出口温度が変らない場合の話である。
更に、1℃当たりCOP0.5 (筆者) や0.6 (コンサル) という値はデータの相関を眺めただけで、単にそのような傾向があるというだけで、理論的には何も考えていなかった。しかし前ページ辺りまで見てきてその意味が理解できる。要するにDTによる熱量増に還元できる問題だったのである。
上記2007年3月の状況で冷水入口温度だけが1℃上がったら、熱量は7.07GJから8.07GJに増加し、モーター入力が変らないと仮定すればCOPは4.247から4.848に上昇する計算になるが、これは有り得ないから0.5の方がより正しいだろう。
 一方で、メーカーデーターによれば、負荷率90%→100%でCOPは0.14上がるというカーブになっている。熱量1GJ相当では0.2 (=0.14×1GJ/7.07GJ×10 {10%で0.14だから} ) である。
どちらがより正しい値なのか?かなり乖離した感はあるが、1℃当たり 0.6 は兎も角 0.5 辺りはそれなりのデータではあるし、後者に対しても、その先の範囲に於ける値を探っているんだとすれば、もう少し高くても良いんだろうと、ここでは便宜上平均を採って1℃当たり0.35とする。
 また、実際の温度上昇についても、去年との対比では、既述のように冷凍機の能力をギリギリ引き出すため流量を増やした。従って出口温度変化分差し引く必要があるが、今回はたまたま同一値である。従ってCOPに効いてくる温度差としては0.51℃そのままで良い。従って 0.18 (=0.51℃×0.35/1℃) アップとなる。
 纏めると、去年との対比では、冷却水低減による向上0.04、冷水入口温度上昇による向上0.18、純然たる今回の定格負荷率チューンナップによる向上分は0.10となる。
年間 20,000GJ 製造する場合、入力一定として増える熱量 500GJ と言う計算になる。
 細かく見ていけば、省エネに向けての色々な切り口が有ることがわかる。 Syo-ene will never be the same.【スペースカウボーイ、ウィリアム・ディバイン】、重複計上には注意しなければならないが、最終的にはプラント効率で見るんでしょうね。変な細工をしていないベースの。

 ところで、我慢できなくて言ってしまうが、最近企業間炭素枠売買の話題が喧しいが、行政の人、何時までもこの問題が宙ぶらりんで燻ぶっていたら、省エネ進行のブレーキになる可能性が有るのが判っていて、その対策を考えているんでしょうね。
 業種での炭素排出枠設定は多分不可能だから (特に地域冷暖房などでは色んな運用形態、機器構成があって、事業所毎に原単位はかなり違うはず。これを一本化なんかしようものなら大変な騒動になる。だけど行政の人というのは統一数値が好きだからね、「だって画一的にしか考えられないんだもの ۵ 」?) 企業ごとの努力代が売買枠になる可能性が大きい。だとすると「今シャカリキになって減らさずに、炭素枠売買のルールが出来てから一気に減らした方が得じゃないか」と言うことになりかねない。
「A」を貰った石原都知事との約束は来年度守れなくて恥をかいても、後々売買枠で儲ける方が得、という考えが起こっても不思議ではない。
 省エネは着実に進んでいるんだが、この辺の疑惧は行政さん、どう払拭してくれるんだろう。

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知らないうちに効率が ۵

 ターボ関係で面白い事象を経験をしたので紹介したい。

 「What's gonna go wrong?」と冷水熱交並列運転を行い。さてターボにはどう効いたかな?と調べようとしたら、ダブルバンドルの方は「知らないうちに効率が」上がったのを発見してルンルンで来て、さてシングルはどうかと見始めたら11月上旬からなぜか下がっている。
冗談じゃない。「また省エネのアイテムが一歩前進した」とエバらなければならないのに、「効率が落ちた」じゃ Blog も店じまいじゃないか。と原因を血眼になって捜して行った。

Tr_curve1

 まず、時間当たり冷熱製造量そのものが下がっている。(各グラフの横軸は11月1日~2月5日までの各月の日表示) モーター電力は殆ど変らない。従ってこの比率関係で効率低下である。
冷却水関連で変化は無い。

Tr_curve2

冷水流量も変らない。従って熱量の低下は冷水のDTである。冷水入口温度は多少下がりめ、出口温度は上がっている。
 系統は、「キス上手は、DHCでも avantage」の温水と同様下図の通りであり、バイパスライン調節計のMV値も調べると、11月中ごろまでは起動時および停止後のポンプ残留運転時を除いて、0即ちバイパスは開かず、全量吐出に回っていることがデータで判る。(このデータは監視装置オリジナルの1分値で、MOに記録に残る最密のデータで、ハンドリングツールを構築中なのは既述の通りである。)

Tr_c_bypass_3

 当該系統に於いて、ターボ本体の温度設定は4.5℃であり、これが達成されていれば当然である。出口温度は 5.0℃以下となり入口冷水で手助けする必要も無く、バイパス全閉、吐出全開となっている。
 ところが11月20日を過ぎるあたりから、冷水出口5℃を維持するためバイパスが流れ始め、年明けから15%開けなければ出口温度5℃が維持できない状況になり、結果入り口温度が下がりDTの低下→出力低下となった。

Tr_mv

 問題はなぜ出口に冷熱が出てくれないかだが、ここで思い出したのが、ダブルバンドルの空気混入による温水出力低下の経験である。
あの時のように空気混入により、冷熱の搬出に支障を来たしているのではないかと、懸命にエアー抜きに取り組んだ。「キス上手は、DHCでも avantage」の系統図が冷水になっているのは、正にこの時調べたからであり、顛末 (および妄想) もこの時のものである。
大騒ぎの結果、やっと空気抜きが実施出来て、これで良いだろうと本体を起動したが、効率は元に戻らない。原因はこれでは無いと判る。

 次に浮かんだのが、「当所ターボの定格付近で冷水入口温度が上がれば、モーター電力は殆ど増えないように見えるが、出力は上がる」という点である。これは特に当所に限らずメーカーさんのデータを見てもそうなっている。メーカーさんの KWH/RT のデータを COP 表示に直したものが下表であり、定格付近で、もう一発性能の上昇がある。あと数パーセントカーブが伸びればどのようになるか楽しい想像である。

Tr_maker_cop

 当所のターボ負荷率は100%を越えており、このカーブに沿った動きをデータ分析の結果、上記のように「モーター電力は殆ど増えないように見えるが、出力は上がる」と認識していたわけである。
しからばそれと逆の動きの場合はどうなるんだろう。「電力は殆ど減らないように見えるが、出力は下がる」と言うことになる。
それで再度電力のカーブを見てみる。これだけ少し垂直レンジが違うのは、最初チェックした時この程度の画面をみて「電力に変化なし」と結論付け、「出力だけが下がっている原因は何だ」とやったのだが、本来は下図の程度のレンジで見てみるべきであった。メーターが 10kwh/1pulseのため離散的で判りにくいが (「ターボ冷凍機の特性」の時もあったが、繊細な省エネ考察をしたいなら、この辺の機器は 1kwh/1pulseにしたいね、それなら最初から気付いていたよ)、電力もそれなりに下がっている。即ち単なる負荷率低下に伴う効率低下の問題だったのである。

Tr_kwh_range

 また、当所は普段モーター電力は定格でも熱出力110%程度は出ていて、この時も下がったとは言うものの負荷率100%程度の数字は出していたので、この点でも負荷率の問題だとは直ぐに気付かなかった。
見当が付いたからジタバタするのは止め、チューブ洗浄の予定が目前だったため、その時ベーン周りの点検を依頼することにした。要するに表のベーン開度計は100%を指示しているが、ベーン本体はそれに対応した状況にあるのかどうか。ずれていたなら、なぜそういうことが起こったのかである。
 点検結果、ベーン開度計100%に対応するベーン本体の開度70%に対して、「68%位で低めだったようだ。コントローラーのロックビスが少し動いたのでもしかしたら緩んだのかも知れない」と言う。今後は緩まないだろう、It won't happen again.【バルジ大作戦、ハンス・クリスチャン・ブレヒ】と言う答えだったが、「もし緩んだら困るので少し開き気味にセットしてください。万が一開きすぎだとしても電流制限がかかるから大丈夫でしょう」と、72%に設定してもらった。
 結果は下表の通りである。

Tr_cop_cmp

 これ程重要で微妙な (少なくても省エネに拘る事業所にとって) 本体側ベーン開度だが、軸の表示は0とサージングポイント、工場試験の定格位置および機械的全開位置に、ポンチ印が有るだけだと言う。それを見ながら技術員は「表の開度計100%のとき実開度70%」と、本体ベーンとコントロールモータを接続する訳である。68%なんてどうやって判ったんだろう。もう少し細かく管理できるような配慮が欲しいね。
だってCOP3.9と4.5の差が「カンピューター」任せなんだぜ。年間 20,000GJ 製造する場合、入力一定として増える熱量 3,200GJ 。製造熱量一定として減る電力200,000KWHだよ、従量料金に直してごらん。どれだけ大きいかが判るから。
そこんとこはバーニヤダイヤルゲージでも付けとくべきじゃないか?
えっ、「ここは工場試験で定格のポイントだからそれ程厳密でなくて良いんだ。制限は他の電流なんかで掛けているから」?じゃあそんなところで開度計100%なんて制限 (それ以上はリミットSWで開かないんだろ) をあやふやに掛けないで、実開度で表示すれば良いじゃないか。

Tr_vane_2

 貴プラントでも定格運転のターボの効率が低下したように見えたら、まず配管にエアーが入っていないか確認し、そうでなければ定格付近の効率変動の大きな範囲を下に逸脱して来ていないかを確認した方が良いだろう。要するに常日頃の特性を把握して置き、電流計・モーター入力で微妙な低下が起こっていないかどうかである。
更に突っ込むなら、102~103%程度の過負荷運転はどこのメーカーでも問題ないだろうから、若干上げ気味で運転したらその分COPは上がる。タービン駆動ではタービン側にも過負荷可否の条件はあるだろうが。
 ベーン開度計の指示は、ベーン本体の実開度ではない場合がある。

 ところで、この調整で調整前より改善したに止まらず、去年の同時期に比べてモーター入力は多少下ったか同等だが (定格入力455KW) 、出力は0.38GJ増え、結果COPで平均0.26上回っている。これはこの辺のメカニズムを検討して最適チューニングにした結果によるものだから、このアイテムも省エネの得点にして良いでしょう?
えっ、「COPで0.26上回ったかも知れないが、冷却水温度も平均0.8℃下がっている。また冷水入り口温度も冷水熱交並列運転の効果かどうか知らないが0.43℃上がっている。それらで改善した分は差し引くべきだ、純然たるこのアイテムの改善は幾らになるんだ?それに冷水流量も下がっているね。この影響はどうなるの」?
 尤もなご指摘。それじゃあ続きはこの次。

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ああコンサル

 コンサルと来たからには、どうしても回避できない話題がある。他人の誹謗は本意ではないが、省エネが国際的愁眉の急の時節柄、余りその方面でミスリードされても困るから少し触れて見たい。あるいは単なる笑い話として聞いて下さい。

 当所に来てまもなく、「CGS の経済性が厳しい、停止出来ないか」の検討委託の中間報告会があって出席した。受託者はコンサル会社で、経済性が厳しくなったのもその会社が導入検討時算定していた年間メンテ費用が2倍近く膨れ上がって、オーナーとしては当てが外れ数年辛抱したが出来るものなら運転を止めたい。ついては停止した場合、蒸気の受け入れ側にはどのような影響があるかと言うものであった。
導入検討時の数字と実態の乖離を、どのように言い逃れしたのかは、Ce ne sont pas là mes affaires.ともかく、再び委託の仕事に有りつけた♪
 報告を聞いていて驚いた。最大蒸気使用実績 33ton/h に対し、ボイラー能力は 36ton/h あるのでCGSが停止して蒸気が来なくなっても問題ないという。 36ton/h と言うのは、定格換算蒸発量を合計したものだ。8キロの圧力での実際蒸発量は、その9割以下である。冗談じゃない。思わず容喙掣肘して再検討依頼したが、その辺の定義の区別のつかない人がこんな仕事して良いのかしら。
 もう一つ、同じ会社の計装の人が、薬注制御の単独盤内シーケンサーの1つの基板のホトカップラー4個全て短絡したのを見て、したり顔「やっぱりノイズだ」。それはどう見ても製作不良かなんかでしょう、雷撃があったわけでもないのに。
何でもノイズ?ノイズといったら原因究明の免罪符?
 これから楽しい人達とお付き合いになるんだなぁとの予感しきりだったが、案の定その期待は裏切られなかった。

*** 雷撃 ***
 昔長崎の孤島の電気のお守りをした。
東シナ海の台風は生まれたて直撃、勢いが良い。関東の台風なんかとはスケールが違う。関東でもたまに超弩級のが伺ってくるけど。
 雷雨が来てよくやられたのが、煙突航空障害灯の管制装置。フラッシュする高照度型で昼・夜・夕方の区別が付かなくなったり、シンクロしなくなる。
夜に昼間の照度でフラッシュさせると、凄いよあれは、新聞が読める。勿論「眠れん」という苦情も。
動作がおかしくなるとまず最初に大村空港管制係に状況をファックスする「飛行機、うちの煙突に近づかないで。知らないよ」
 そして、福島だったかにあるメーカーに来てもらう。2,3度来て貰う内に、故障しているところがわかって来た、何時も同じ基板の同じトランジスタである。
毎回福島方面から呼ぶのは大変で、「トランジスタだけ置いてってください」
 次の雷撃からは、自分で基板抜き出して、半田を溶かし、外した跡を新しいトランジスタの足が通るように爪楊枝で道付け、交換するようになった。基板を元に挿入して電源ONで一件落着。
これだけで、福島⇔長崎の交通費+技術員日当、何度か浮くことになった。
なんの変哲もない普通の小型PNPトランジスタだったけど、大型にして耐圧上げておいたら何度もやられなかったんじゃないかと、今思う。
 最近は何でも不良基盤一式交換で、現場でのこのようなメンテ技術は珍しくなったが、この間監視テレビの若いサービスマンが半田ごて片手に小さな電解コンデンサー1個を交換しただけで不具合を直したのをみて見直した。
 *******

 コンサルへの胸高鳴る期待。早速のクリーンヒットが、「その他の省エネの余地」「ボイラー保温追加の効果」ページで触れた、保温強化でボイラー効率2%アップというやつである。
技術担当部長のところへ「御社の省エネの検討やらしてください。ボイラー保温強化でボイラー効率2%アップというような例もあります」という売り込みが来て、お願いすることになった。筆者も何かの聞き間違いだろうぐらいで深く考えなかった。
 ところがキックオフで、ボイラー効率そのものが2%改善すると強く信じているのが判る。「ちょっと待ってください。ボイラーヒートバランスを見てください。放熱損失なんかコンマ何%ですよ。勿論ボイラー稼働率が低ければその分省エネのパーセンテージは高くなるが、2%というのはボイラー利用率がどの位のときのことですか」と訊くが明確に答えてくれない。「とにかく2%アップの実績があります」だけ。データ集計上の何かの間違いだろうと、ヒートチャートだけ渡して、それ以上追求しなかった。だってその後の展開の方が楽しみだもの♪
 その次のペーパーでは1%アップに訂正され、何処とどこの保温を強化すべきかに話が進んでいる。筆者の主張を理解したが、振り上げた手は容易に降ろせず軟着陸のため1%にしたのか、それともまだ分かってないのか不明。探ってみようというほどの興味も湧かない。
 工事が進んで、測定も終わって報告会には保温工事メーカーとボイラーメーカーの共同報告だが、コンサル会社は都合により欠席。結果は0.5%の改善だとか。それだって筆者には納得できないが (だって利用率の概念が入ってないから、放熱が全く無くなったとしてもそうはならない) 、罪の無いメーカーさんだけで言い出しっぺの本人が目の前に居ないから文句を言ってもしょうがない。
 こんな仕事の進め方とモラルだけで○○○万円持ってくコンサルタント会社が生きていける。

 次のヒットがモニターの水平解像度とパソコンのクロックの話。
監視装置リプレースでモニターの水平解像度1600ドット以上と仕様書に書こうとしたら、コンサル会社の計装屋「画面の横が切れる」「字が小さくなって読めない」などと5.1チャンネルじゃない、2.1チャンネルで、つまり3人がかりで前後左右から反対された。既存監視装置の、あるいは自分のパソコンの画面が1600ドットになったらと言う想像の延長線上でしか物が見えないらしい。
何時の時代のどんなスキルで飯食ってるんだ?うち2人はまだ若いんだよ。
 一方でパソコンのクロックにはやたら拘り、当時の最高スペックの3GHz以上だとどうしても指定するという。
今回の監視装置の vital important spec は全システムデータを3秒以内に取り込むことである。ここを抑えているんだから、クロックが幾つであろうと関係ない。却って遅いマシーンで実現している方がスマートで練られたシステムである可能性がある。確かに市場には3GHzが出ているが、メーカーさんだって使用実績というものが必要なんだろうし、そんなことを書いたら安定性に関するメーカーの選択肢を狭めてしまう。
 反対に水平解像度1600ドット以上というのは、これは監視ディスプレイのデータ情報表示量の問題であり、1200ドットのものと比較して6割増しになる。従来の画面は殆ど監視画面とは名ばかりの貧弱な表示機能で、オペレーターは何枚もの画面を切り替えながら監視していたので、これはポイントスキャン時間に次ぐ vital important spec である。第一、既にノートパソコンでもその程度は出回っていて技術的に何の問題も無い。というのが筆者の意見である。
 この両者の意味の違いと、現状認識ができないコンサル。
最終的には、痛み分けで3GHz・1600ドット以上と言うことになった。だって目を三角にして喰らい付いて来るんだもん ۵
 メーカーへの現場説明の時、当社社長などお歴々の前で、わざわざ「1600ドット以上と言うスペックは何か問題ありませんか」と変な期待見え見えの余計な質問をして「当社は標準仕様が1600ドット、大型モニターでは1920ドットです」と返され赤恥の上塗りをしている。
残念、その時言ってやればよかった「3GHz以上と言うスペックは何か問題ありませんか」
 仕事は年度内に完了しなければならないのに、夏が過ぎても「このシステムは SCADA で行った方が良い」「何処そこは SCADA だ」「あそこのは厳密には SCADA とは言えないだろう」。聞いていると SCADA なるものの本質も理解していないような聞きかじりのご高説のやり取りだけで時間がどんどん過ぎていく。
「もう時間が無いよ。(そんな空論定義より) 早く仕様書作って、メーカーさんに仕事を渡してじっくり実務をやってもらった方が良いんじゃないの」と催促するが「大丈夫です」「大丈夫です」 (異口同音を表したつもり)
 結果としてメーカーさんには実質5ヶ月位の期間しか与えられなかった。(実際の切り替え工事は1.5ヶ月でその内数。よくやれたと思うよ、筆者のマニアックな依頼によるリアルタイムデータ書き込み運転支援システムの実装も有ったのに。後者は専門の Delphi 屋さんが付いたけど。) その癖メーカーが短期間を理由にした作業の遅れなどを言い訳すると、高飛車に喰らい付く、「やれると言う事で契約したじゃないか」。
 もし貴社にコンサルタントが入って、定義論を繰り広げるか、スケジュール概念 (メーカーがこの仕事にどれだけ掛るか) が希薄だと感じたら止めた方がよい。実務センスの欠如で後々皆に迷惑が掛る。メーカーさんの時間が無くなるか、技術センスもロンパリ (死語? ) の可能性が大きく、ミスリードで出来た設備が種々の問題を内蔵する可能性があり、そのツケは結局ユーザーが被ることになる。
 やがて主要機器の選定に入り、やはりメーカーの使い慣れた CPU への拘りが出て来た。最新のものはまだ使用実績も無く、システム構成に取り込むのは時期尚早。従って3GHz以上の仕様は守れないというものである。仕様書に抵触するから喧々諤々。件のコンサルの上司も出張ってきて「そもそも3GHz以上と言うのは何処で決まったんですか」だと。
「知らないよ。お宅の計装屋に聞いてみな」

 当所の技術部長が代わって再びコンサルのプロポーザル。「長期メンテ計画を策定してあげましょう。他に省エネのネタもあげます」
一例を上げると、当所のボイラーは CGS の蒸気と併用しており、ターンダウンレシオも設計より大きいから、発停の頻度が多く効率が悪い。ちょうど出て来た小型の貫流ボイラーを新規に導入すれば、このボイラーは効率も 96% 以上だから、運用効率も上がるはずですという話。
「その辺を纏めて検討してあげます」で、またもや○○○万円。
 このようなことになぜ際限なく対応出来るか分かりますか?既述の省エネで収支は大幅に改善している。従って「① 委託費に回す金には事欠かない。② 省エネの柳の下に2匹目のドジョウが居るんではないか。まだその可能性があると言うんなら何でもやって見よう」と言うことである。
 但し今回の省エネネタはパンチが弱い。だって実際にどんどんやって実績が出てるんだもの。そこでしょうがない筆者のちょっとひねったアイデアもついでに検証してもらおうとしたのが「What's gonna go wrong? その2」ページのアイデアである。写真入り、相関図入り、計算表入りxlsファイルを渡しながら、筆者の言った言葉が「What's gonna go wrong?」【ジェットローラーコースター、ジョージ・シーゲルの真似】である。
 成果品の報告書を見たら案の定、筆者のファイル殆ど丸写し。これは渡した方が悪いと言えばそれまでだが、考え方の間違いまでそのままリピート (「What's gonna go wrong? その2」ページ参照)。その代わり、ターボ冷水入口温度上昇1℃当たり COP 改善だけは、魂胆があったわけでも無いだろうが、もう少し大きめ 0.6/℃となる。
 魂胆と言うのは、如何に高効率のボイラーを想定しようが、所詮省エネシンボル以外は無駄な設備、とても単独ではペイしない。費用の発生しない筆者のアイデアなども含めてメリットを全て加算してグロスで見て、効率 96% の小型貫流ボイラーが、10年でペイするという計算になるというもの。従って他のアイテムにもガンバって貰う必要がある。
 しかしこれはちょっと計算すればありえない数字だと言うことがわかる。即ち当所で460KWの電力で7GJ製造していたとして、入口温度が1℃上がって8GJになったと想定して、モーター動力が一切増加しない場合のみ COP が0.6改善する計算になる。(「結局ターボCOPは幾ら改善したの?」参照) 筆者の言い値0.5だって大目だろう。
 そして燦然と輝く効率 96% の小型貫流ボイラーである。どうも納得できないのでメーカーさんに来てもらって説明を受ける。
色々と聞いているうちに、これは水処理やスケール対応も大変だな、10年目ごろには何らかの対策が必要だ、そうだとすると新品の状態では 96% の効率もあるいは出ているのかも知れないが早晩落ちてくるはずだと気付き、メーカーさんに訊くと正直だ、「お見込みの通りです」
 従って 96% の効率が何時までも続くと仮定するのは間違い、チューブ交換などのメンテ費用をどのように考えるかもない、机上の空論に近い。冒頭の CGS メンテ費用が膨らんだのもこれに類似した間違いじゃないのか?

 この会社の面白行状記は10件ほどあるが、半分だけピックアップした。
当所の設計・建設にもタッチしていたはずだが、保温強化の指摘などは望むべくも無く、ボイラー燃焼空気やボイラー再循環空気比までも室温冷却空気に外数で加算していたり、 blog のお笑いネタで出て来た冷却水ポンプ揚程のオーバースペックも、空気抜き配管の引き回しも、また工事施工管理に於いてもUPS警報・調節計遠隔制御配線未施工など、かなりの点がノーチェック、フリーパスという華々しい記録を樹立している。
 「今度アメリカのコンサルで○○に出張する」などとルンルン気分だが、エバスコの社員 (「 アポロの燃料(一兆円の営業コンサルタント3)」参照) みたいに、日本の技術の空洞化を世界に PR してこないでね。

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営業コンサル

 ちょっと営業コンサルの真似事をさせてください。

 まず何と言っても、監視システムの営業さんへ
 どうです、4D重相関図なんてお宅のバーゲニングパワーになりませんか?
漏れ聞くと名古屋の方のDHCのお偉いさんがデータ間の重相関計算の出来るツールを探しているらしい。そこまでやらないとデータ分析は出来ないとの認識らしい。誠に慧眼ですね。
そこは今回65インチのディスプレイを設置したらしいから、フラッシュメモリーで3D重相関図でも持っていってプレゼンやったら一編に気に入ってくれるかも。多分4D重相関図なんかやったら度肝を抜くだろう。相手がその有用性を知っていてニーズがあるからである。商談は直ちに纏まる♪コメントで訊いてくれたらどこかこっそり教えてあげる。
 但し残念ながら、そこは監視装置そのものは今回新しくしたから、支援装置としてしか食い込めない。
しかし支援装置たって馬鹿にしちゃいけない。当所なんかは10年前に1千万で殆ど使い物にならない運転支援システムをオプションで購入したからその程度の相場にはなるんだろう。
その運転支援装置なるものは、ただ1週間前など指定日の負荷カーブに対して機械を何台運転すればよいか程度の画を書くだけで何の利便性もなく、オペレーターには天候を入力するなどお荷物だけだが、「何を支援してくれているんだ」と不評で、実質運用されてなかった。
 ハードを遊ばせておくのはもったいないので、運転支援という機能はどう有るべきか、省エネとどう結びつけるかとやってきたのが「運転支援システムの概要」で紹介した内容で、オペレーターが手計算でやっていた蓄熱運用や、パーソナル指向警報システム機能なども追加したら、常に首っ引きで使ってくれるようになった。その後監視装置更新のチャンスがあったので、その中に一式取り込んでもらったが、増殖が可能なようになっているから日々進歩している。
 その内容を web 上で可能な限り公開し、特に監視システムのメーカーさん持っていってください。無償で提供します。と言っているのである。当所の監視装置メーカーがなぜ持ってかなかったのかって?「今まで C でやってきたので、今更 Delphi なんか手を広げられない。当面仕事は目白押し」だけである。
 システムそのものは Not bad for an dilettante.【the avengers、ショーン・コネリー】
購入したところは、運用面での省エネがぐっと進む。設備老朽化で落ちている性能を回復するパワーまでは無いが、この次設備更新するなら、どこに金を掛けるべきかもわかってくる。
これが謳い文句である。
 ニーズのある相手が使ってくれて有用性をいろんな機会にPRしてくれたら、その後の引き合いはひっきりなし。DHCだけでも日本に100社程ある。

 次は保温工事、保温機材の営業さんへ
 DHCのちょうど平均的規模である当所で実施した、保温強化と換気ファン運転削減の結果は「保温徹底による給排気ファンの停止」「素人保温工事の実際」「保温板金?ラジエーター?」ページに詳述した。
実績を再掲するが以下の通りである。

Fankwh

 これから電気料金も上がる。他所に於いても同等の削減が可能なら、経済的にも大いにインセンティブをもたらすだろう。
従って保温関係の営業さんは上記ページの html をフラッシュメモリーで携帯して営業の先々で見せて歩けばよい。電気量削減率が定量的に分かるから、「御社の従量料金は幾らですか」と訊いて、「じゃあ上手くいけば○○○万円の経済性が出てきます。夏季ピーク時の電力調整契約はありますか?じゃあ更に月○○万円の追加です」とやれる。
 どうです?やり易いでしょう。
上の記述に、素人細工でも良いと言うような事を書いているが、「うちはオペレーターにそんな作業はさせない」又は「運転委託契約の書換えで、契約額の増に繋がるから面倒だ」という事業所では保温屋さんの独壇場となる。場合によっては上記記述を変えてあげても良い。
 リーゾナブルな工事費なら数年も立たないうちに元が取れる計算になり、相手が乗ってくること請け合い。忙しくなるね♪

 次に電解装置の営業さんへ
 冷却水のチューブに系内生物起因のスライム付着で冷凍機の性能が落ち、チューブ清掃も安くはないと、対策としてスライム防止を主眼にした薬品注入への変換を計画・実施中のDHCも多いらしい。
一例として、防錆、分散、殺菌の薬能オールインワンの薬剤から、殺菌能力の薬剤を分離してそれぞれを個別に調整することにより殺菌力を高め、系内生物の繁殖を抑制するというものである。その主成分は何かと訊くと次亜塩素酸だとの事。
使用量もこちらの殺菌薬剤だけで従来の薬剤の5割増し、特に夏季のピーク時は1ヶ月に100kgドラム缶十数本の取り扱い。さらに注入装置の技術上の問題から出来るだけ低圧部が良い。従って屋上の冷却塔にそれだけの薬品を上げることになる。屋上ったって、エレベーターで降りてからも段差だってあるでしょう。
結構わずらわしい取り扱いになってくる。
 次亜塩素酸なら塩水電解で作れる。塩さえ買えばランニングコストももっと安く、取り扱いももっと易いだろうと、「電解はどうですか?」と聞いたが、「事例は有るがメンテコストも掛かるでしょう」色よい返事がない。当然でしょう、聞いた相手が悪かった。コンペチターに花を持たせたら年間薬品代を儲け損なう。
従って、これに対して電解装置の優位性があればシェアー争いに加われる。
 経済的バランスは一例として、1液のみ薬品代年間約600万円に対して、800万円の設備を投資して、防錆剤400万円、殺菌剤100万円その後年間100万円のメリットだそうである。従って電解装置のイニシャルとランニングコストの総合でこれより安ければバーゲニングパワーが出てくる。高ければ forget about it.۵
もし数年のタームで見て薬品に勝てるなら、冷却塔と冷凍機のある事業所が営業ターゲットとして開けてくる。その顧客に上水やプール関係で電解の実績があれば、スケールメリットや信頼性などその延長線上での avantage も出てくる。
 営業での訊き方は「御社の冷凍機でスライム付着による能力低下や緑青の発生はありませんか?塩水電解で対策出来ます。」

 *** 途中で少し雑談気味の tips を一つ ***
 ここでスライム付着と言ったのは、その死骸とその粘性上で発生したスケール付着も含んだ総称のつもりだが、いずれにせよそれらは性能の低下または緑青などの原因となる。
当所に於いても、2度緑青を経験した。
 1つは追加設置した吸収式に運転後1年で発生したもので、吸収器に発生したが凝縮器は全く問題が無い。銅管製造工程を調べるとメーカーが異なり、吸収器のは製造後何の表面処理もしていないことが分かった。
 プラント建設後、冷却水系の立ち上がり時に、冷却水質と銅チューブは徐々に時間を掛けてお互いに suitable にエージングされるから問題ないが、長年運転された冷却水系の中に、ショットブラストや薬品処理など適宜の表面処理をしていないバージン・チューブを放り込むと、ひとたまりも無い事があるようだ。都北部の DHC でも冷凍機更新時緑青発生があったと聞くから、蓋然性は高い。
 何れにせよ、古い水系で新しい冷凍機を入れる場合は、チューブは適宜な表面処理を施されたものかどうか確認した方が良いだろう。但し瑕疵期間内に発生するだろうから、注意するのは冷凍機メーカーの方だろうが。
 もう一つは、これが本題だが、長年運転していた吸収式に突然緑青が発生した。スライム起因の緑青だそうだ。
他号機は何の問題も無いが、当該機は冷却水半量運転が出来る。その頻度が最近増えたとは言わないが、全量と半量では冷却水流速は 3m/sec と 1.5m/sec である。スライムやスケール付着にどれだけ差が出るか想像はた易い。
チューブ清掃や冷却塔清掃インターバルがずれた。周辺環境がスライムやスケールの発生しやすい時期に、たまたま半量運転や停止期間が多かった。などの条件が重なってその間に付着物は強固に生成されていて、もはや定格スピードの水量でも除去し切れず緑青に至ったとは全く言い切れないか?
 省エネで、インバーターで冷却水量コントロールなどと言う手法も多く推奨されているが、C'est un cliché、事業所毎に水質・周囲環境 (高速道路・土木工事による降土なども含む) が、スライムやスケール進行に繋がらないか、冷却水流速低下がその付着を促進しないかを充分検討して、効率低下や緑青などの後顧の憂いをなくしておいた方が良い。
 そして、吸収式なら冷却水量はそのままで、部分負荷にした時のCOP向上によるガス・蒸気代削減とどっちが得かの検討も是非。インバーターにせず出口弁を絞るだけなら、間違いなくこっちに軍配。
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 吸収式冷凍機の営業さんへ
 部分負荷の効率向上は吸収式の avantage である。
温水供給するところのメリット」ページの前半に記述してあるが、監視ポイントを増やすことで、省エネ性の向上、機械の信頼性向上およびユーザーからメーカーへの信頼性向上に結びつくことが期待できる。ここでは繰り返さないが、技術屋さんと論議してみて、どんどん前向きに展開して欲しい。
 冷水コントロールによる部分負荷運用、溶液結晶温度常時監視による冷却水温度低減運転なんかは、うまくストーリー立てすれば、一定の試験費用も NEDO や MITI で面倒見てくれないんだろうか。どちらかが支援してくれて大きな成果が上がったら、片方は「この省エネ必至の時代に、先見の目が無い」と批判されるよ、と言うことで両者を競わせることも可能。
ぜひうちの補助金使ってくださいと、申し込まれるかも♪
 吸収式が少なくなると負荷の調整がしにくくなる。ぜひ頑張って欲しい。

 最後に振動計の営業さんへ
 3D-FFTのプログラムは、これ単独で傷検出のトップ機能を有すると自負する。
御社の振動計に付録として ROM で添付すれば、売り上げ向上に寄与すること間違いなし。申し出られれば無償でソースから提供する。

 昔筆者がやった一兆円の営業コンサルタントには遼に及ばないが、いろいろ出てきて、中には歯牙にもかけてもらえないものもあるかもしれないが、Which elements strike you as wrong?【Analyze that、Reg Rogers】 (えっ全部だって?)、筆者自身がやりたくなって来たね。

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