石炭関連企業はコンプレッサー開発が急務。副題「ダブルチェックからパラレルチェックへ」

 又もや柏崎刈羽原発の話題と2本立てで、表題もしっちゃかめっちゃか。
 「7号は安定、営業運転再開。6号は試運転開始、行け行けどんどん。これ以上何か文句あるのか?」と言われそうだが、一筆啓上。
6号機制御棒駆動機構と制御棒の結合不良に関する最終報告を原子力安全・保安院へ提出した。機械的に間違えないだろう再発防止対策も中長期的に実施だそうだ。
 「物理的に間違えられないような構造を考えよと言ったから、そうしたじゃないか」と言えば取りあえず及第点だが、それは一つの原因に対する対策でしかない。
1基200本以上のCRDシステムの改造は工期的にも、経費的にも大変だろうし、対外公約だから然るべきタイミングで実行されるんだろうが、それまでの間は「チェックシートの見直し・作成」「判定基準の明確化」「ダブルチェック出来るような体制の見直し」だそうである。
 是非とも最後の検討で気付いて欲しいのは「ダブルチェック出来るような体制の見直し」なんだから、今まで指摘したように「技術屋同士で会話が出来る体制を意識的に作る」ということである。
間違えようとしても物理的に間違えられないような構造が今後は必要だと言ったが、所詮それはある1つの不具合の可能性排除の個別対策でしかない。それよりももっと重要・汎用的な点が外されていると指摘していた。「いかにも、原発技術屋同士に会話の痕跡が無い」と言う点である。

 既述を何度も嫌味たらしく繰り返したくないが、めくり返すのが面倒だという人のために簡単に触れると、労災で声を掛け合ったら防げただろうと言うのは除いても、
 潤滑油30リッター漏洩などは、「ノズルが緩んだ。ちょっとホースを上げて持っているから、その間に廃油缶持ってきてぇ!」と叫べば1リッターもこぼれようがない。
(お判りだろうが、潤滑油が30リッター漏れたことをとやかく言っているのではない。その程度はままあることで、原発としてこの程度も不具合としてオープンにしなければならない立場には同情するものである。そうでは無くて、その事故原因はホース先端のノズル外れとしているが、ノズルの有無は漏洩とは無関係と認識出来るか否かの問題である。ノズルがあっても漏らせるし、無くても回収できる。誰でもおかしいと判断できるはずの解釈を天下に堂々と開示してはばからない姿勢は問題だと言っているのである。作業員の申し立てを何の疑問も無くそのまま羅列したか、もっと大きな事を隠すための配牌か知らないが、即ち、前者であれば厳密な原子力をマニピュレートする基本的観察力がそもそもお有りですかと言う疑問であり、後者であれば企業のコンプライアンス姿勢は兎も角、「もっと上手に嘘をつけ!」となる。)

Oil

 圧力抑制プールの水位上昇だって、プールの波立ちはパンフにも表現しているほど既知のRCICS運転時の常態だとすると、廻りの同僚・グループ長・当直長などが、「圧力抑制プールの水面は波立つことがあるから、四方のレベル計の動きを見て、同じ様に変るようなら注意しろよ」とか言えばハッと気付いた可能性は大きい。
「圧力抑制プールの水位は増えてないね」と、訊くだけでなく自分でちょっと立って行って後から覘き見たりしないんだろうか。
言われなくてもその位やっているさ。それでも不具合は起こったんだ」という事なら大変だが。
 水張り時の過剰ブローだって、「今から水張りするところの、エアベントとドレン弁はこことこことここだよね。はいバルブは閉めたでしょ。こことここは1人で見れるから、2人で監視していてね、今から水張りするから。何か在ったら怒鳴って教えてね」と言えば良いだけの話である。
 原子炉補機冷却水系への復水補給水系の水の混入だって純水を補給しようとする時、「今から純水補給弁を開けるから、補給水タンクの水位が下がってくるはず。また補給水積算計がカウントするから見ていて、動きが無かったら連絡してね」と言えば、間違いは気付いたはずで、復水補給水系のトリチウムが外に出ることも無かったろう。
 この辺は、コンビネーションで仕事をしているプラント操作員から見れば言うほどの事もない当たり前の話であり、この程度の会話があれば起こりえない不具合が、1人1人は寡黙で真剣に作業しているであろう原発では頻繁に起こるのである。

 CRのカップリング作業でも、1人がじっと目を凝らして作業を実行するのではなく、隣の同僚と「ほら荷重は良いよね、これで○○CRカップリング完了。確認して」「OK、○○CRD荷重良し、カップリング完了確認」とやれば「工事担当者の思い込みにより、CRの荷重のみかかっていることをもって、問題ないと判断した」 (さぶーっ、「当社の技術力は、何時までも同じような繰り返しで前進しないね」「それを改善しょうと言う取組みも奏功しないね」「これを臆面も無く『これが原発の実態だからしょうがないじゃないか』と繰り返す自分達管理部門とは何なんだろう」と思えば、「さぶーっ」となら無いんだろうか) と言うようなことも起こらないだろう。
 1人が黙々と確認作業を200本もやっていれば、色々雑念も浮かんでくるだろうし、余程気を引き締めていなければ勘違いも起こるだろう。頭はあらぬ事を考えていて、「良」に○をくれる可能性は有る。
原発不具合の再発防止対策として「チェックシートの見直し・作成」「判定基準の明確化」「張り紙やミーティングで注意喚起」「事象の把握を徹底する」の羅列は、作業員にこの様な過度の精神力を求めているに過ぎない。そして何度も同じ様に裏切られている。
 「ダブルチェック体勢」と言うのも同様な事が起こりうる。1人が真剣にある作業をチェックして、然る後にもう一人がチェックリストで同様に真剣にチェックしてもそれをすり抜ける不具合はあるだろう。
この「ダブルチェック体勢」と言うのを明瞭に「パラレルチェック体勢」と捉えなおして、同時にかつ会話により相互チェックすれば、しつこいが、発声の段階で軽いストレスが起こり、前葉頭の活性化を促し相手の結論と自らの観察結果の対比により、正確な判断が確保される。
折角「ダブルチェック」まで来たんだから、「パラレルチェック」体勢の確立まで前進させ、ついでに作業員全員に予定行動発声申告制を導入し、さらに支援警報導入でプレコーションマインドを喚起すれば、原発の不適合はたちまち改善される。嘘ではない、それでも改善されない場合があるとすれば、作業要領書の不備であるから、機械の裏まで知悉しつくしたメーカー技術員の招致を増やして、協力会社単独の技術作業を無くす。
 前稿でも見たように、地球温暖化対策での原発のウエイトは極めて大きいんだから、頑張って貰わなければならないとして、言いたくないことも言っているのである。
新潟工科大学で、電力の協力も得て原発の耐震性研究施設を設置との事で、「市民の安心感の醸成に繋がる」と期待も膨らむそうだが、上記の (詳細は当該ページで) 対策を実施すれば、たちまち原発は安定し市民の安心感は倍加されるだろう。

 さて本題である。前稿で、政府の「2020年までの温室効果ガス排出削減目標を05年比15%減」とする中期目標発表に際して、これを炭酸ガスに限定して、当 blog の今までのアイテムでこれが何処まで達成できるか見てみた。
 ハッキリ言って数字遊びだったし、「そう上手く行くはずもない」と言う見方も有るだろう。多少言い足らなかったこともある気がするので、チャンスがあればやろうと思っていた追加件名を行ってみる。
復水器冷却水の温熱の回収である。
 「火力発電所は発電機能付き海水ヒーター」などと揶揄されながら、コンバインドサイクルを除けば効率は殆ど改善されない。
蒸気サイクルの上方面、蒸気条件改善の努力はなされるが、低品位熱源である多量の排熱については手付かずのままである。
低温熱の回収については、一部電力系DHCに於いても温度差熱回収は実現しているが、ご本家の火力発電所では「火力というのはこんなものだ」と手付かず、紺屋の白袴状態に陥っている。
 原因の一つは、熱サイクル上には適当な熱回収先が無いからである。
ちょっと計算してみれば判る。復水器が30mmHg程度の真空度で運転しているとして、飽和温度は30℃、蒸発潜熱は低圧タービン排気蒸気1kg当たり580kcal/kgである。これを海水で冷やして復水にしている訳である。低圧タービン出口湿り度があればその分は既に水になっているから、もう少し少ないが。
そこでヒートポンプなどで高温が得られて、サイクル上の低温部に回収しようとしても、蒸気量≒復水量≒給水量とすると、この50%でも回収するためには、給水温度は320℃ (=30℃+580×50%) になってしまう、あるいはならなければならない。
 低圧タービン出口湿り度5%、抽気量20%としても250℃である。
つまり既設サイクルの最終給水加熱器出口温度に近い。即ち抽気は全て不要で再生サイクルが成立しない。またヒートポンプで250℃の温度上昇が合理的に出来るかと言う問題もある。
 そこまで頑張らなくても、少し回収しようとしても、そのままでは復水・給水の温度が上がった分抽気の凝縮能力が減り、結果として抽気量低減即ち再生率が下がって効率増に結びつかない。
 ガス炊き発電所はコンバインドサイクルという手段があって、より合理的に効率を上げているが、石炭などはこれの倣いとしてPFBC (加圧流動床上で石炭を燃やして、その排ガスでタービンを廻しかつボイラーも加熱する。炉を加圧するため些かグロテスク。温度分布もコロコロ変わるだろうから、非定常熱応力も大変なものだろう。またタービンを廻せるクリーンな排ガスにする技術として、原点に帰って石炭ガス化もある) などの技術が研究されているが、今の所実機にはなっていない。
 火力温排水は従って、回収どころか反対に蒸気霧の主犯説などで公害防止協定では低めの値を約束する事になり、益々回収とは縁遠くなっている。更にはこの制限が守れないでデータの改ざんまでやってしまう羽目になっている。殆どトホホの世界である。
蒸気霧は冬季自然に発生することもあるんだから、小型船の往来の激しい所は論外としても、行政も余り画一なことを言わないで、「少し高めにしておいた方が将来熱回収しやすいんじゃないですか」位の懐の深さを見せて欲しいものだ。「その代わり、放水口を市民の釣り場に開放してください」と言っても良い。

 プラントサイクルへの回収は難しいとなると発電所外への回収となるが、民生にするにしても近傍に適当な回収ターゲットはない。
また物理的には民生ターゲットへの熱回収が成立する条件があったとしても、発電所と周辺の往来が希薄で実現しにくいと言う点もあるだろう。公害源としての不人気もあるだろうし、発電所から見て運転に直結した顧客対応は敬遠する部分もあるかも知れない。
観点は違うが、先ほどの放水口は最高の釣り場になるが殆どの発電所で構内立入り禁止、釣り場としては開放してないはずである。最近では変わってきたかも知れないが。
この点DHCはお客様直結商売だから、多少進んでいる。低温熱でも回収して民生需要に結びつける。
 「CO2排出05年比15%減」に、原子力への追い風要素もあって全面協力するなら、電力にとってもここの改善も重要である。(えっ、「その辺は余り頑張らず、15%未達にして置いて、だから徹底して原子力じゃなければ駄目なんですよ」に持っていく?)

 今後、特に石炭火力などはPFBCや石炭ガス化によるコンバインドしか道は無いのか。
発電所近傍のビニールハウスなど農芸需要、都市部の発電所で運よく集合住宅がある場合の暖房供給など、民生も含めて頭を絞って積極的に低位熱の回収を考えないと、何時までも「発電機能付き海水ヒーター」じゃガス以外の火力はお先真っ暗。
 ボイラーまたは原子炉+蒸気タービンシステムに於いて、技術改善により実現可能なヒートポンプの能力とCOPを反映した、再生サイクルの設計変更の可能性は無いのか。
回収により復水給水温度が上がって抽気の余地が減少したとしても、元々再生率を上げてきたのは、海水に熱を奪われるのを出来るだけ少なくしようと蒸気の復水器通過をバイパスしたためである。今回これがヒートポンプである程度回収できるとすると適当なバランス点は無いんだろうか。
 従来のヒートポンプの性能なら、そんな気も起こらなかったが、炭酸ガスの超臨界圧使用などヒートポンプも効率性能共に進歩した。考えてみる余地も出てきたように思える。
 勿論、入力の半分以上を海水の昇温に費やしているシステムである。これを回収しようとしても装置的にかなりグロテスクなものになることが予想されるが、然らばその程度はどうか。その効果の確認とともにやってみようと言う気は出てこないんだろうか。
 これを概観してみようとプログラムを作った。

 ダウンロード steamcyclep.exe (527.0K)と ダウンロード Steam97.dll (116.0K)を同じディレクトリー (DLLの扱いは周知とする) にダウンロードして実行すると、h-s線図という画面が表示される。蒸気h-s線図上にモデル火力のヒートサイクルをプロットしたものである。
まずこれから見ていく。単位は古い[kcal/kg]で表示してある。こちらの方が℃との関連付けも容易で直感的に使いやすい。ついでに圧力も[ata]である。
水色と黄色の曲線は水の飽和曲線である。図をクリックしてください。少し大きくなります。

P_s1 

 左下にボイラー給水エンタルピーの赤丸が表示されている。これから右上に上がると、このスケールでは見にくいが、蒸発部の等圧曲線が蒸発部の圧力とエンタルピーの動きと共に記述されている。
つまり貫流ボイラーではなくドラム型であり、ここの圧力は主蒸気圧+10[ata]である。
 その後主蒸気条件まで上昇するが、本来なら、圧力ロスが無ければ圧力一定のカーブで上昇するんだろうが、直線で結んで描画してある。
蒸気温度は、即ち1050[゚ F]になっている。
 タービンに入った主蒸気は等エントロピーで断熱膨張して仕事をするが、実際には断熱が完遂出来ない分多少のエントロピー増大を来たす。タービン断熱効率というが、この辺も端折って直線で引いてある。
 仕事をした蒸気は、まだ大分過熱度を持ったまま再熱器に導かれ再加熱される。再熱蒸気圧=再熱戻圧としている。
 再熱蒸気は仕事の途中で抽気され、給水の加熱に使われる。即ちその分それ以降のタービンでの仕事は減るが復水器通過熱量が減り、サイクル効率は改善されるわけである。
ここでは抽気は25%一挙に行うとしている。実機では8段ぐらいに分けて合理的に実施されるが、計算の簡略化のため1本化とした。
ちょっと無謀な仮定とも思えるが、過熱戻し部(ピンク部)、復水部(緑部)およびドレンクーリング部の伝熱面積などは充分あるものと仮定する。
残った75%の蒸気は最後までタービン内で仕事を継続し、7%程度の湿り領域の状態で復水器に排気される。これも原子力を除き実際よりちょっと大き目かな。
 主蒸気から再熱戻りまでのエンタルピー差、および再熱蒸気から抽気点までの全量、抽気点から排気までのエンタルピー差の75%がタービンの入力である。

 復水器の真空は0.05ataと置いてあるから、タービン排気のエンタルピー570[kcal/kg]は、勿体無いが海水で32.56℃まで冷やされる。計算では346,972[Mcal/h]となっている。ボイラー入熱の51.4%である。
これが効率低の原因であり、抽気を多くしてここを通る熱量を減らしたり、蒸気圧・温度を上げてここの通過熱量のウエイトを少なくしようとするのが今までの効率改善の取組みであるが、ここにヒートポンプの最新の技術を取り込んで捨てる熱量を回収してみようと言うのが、本稿の主題であった。
 サイクルを進めると、32.56℃の復水は全体の75%645[ton/h]であるが、833[kcal/kg]のエンタルピーを持った全体の25%の抽気215[ton/h]で加熱されて、かつ合流し、232[cal/kg]の給水となってボイラーの節炭器に入る。この規模のプラントの温度よりちょっと低めの数字である。この辺も抽気一括などの端折りもあり、また排熱回収によりどう変るかを見るためだけとしてこのまま進める。
 水の部分は、復水ポンプ、給水ポンプ、脱気器排気などの熱出入があるが無視している。また飽和曲線と紛らわしくなる部分もあるため、加圧水ラインは描画してない。
 ボイラーの出力は主蒸気エンタルピーとこの給水エンタルピーの差および再熱蒸気と再熱戻蒸気エンタルピーの差であり、ボイラー入力はこれをボイラー効率0.92で割り戻してある。

 右端に電力関係が図示してあるが、既述のタービン入力をタービン機械効率と発電機効率で96%とおいて、860[kcal/kwh]で割ると発電機出力となる。
これとボイラー入力の比が発電端効率である。
 蒸気量860[ton/h]で計算したが、一般的原発の1/4規模のプラントとなっている。
発電機出力は一部発電に必要な補機類のモーター動力に使われ、残りが送電される。これとボイラー入力の比が送電端効率である。
 発電に必要な補機類のモーター動力と発電機出力との比は所内率と言うが、ここではこれを5%と置いてある。実は、補機で最大のものは給水ポンプでありこれをモーターで回すか抽気駆動のタービンで廻すかで所内率は大きく変わる。また、次に大きいのはボイラー通風動力である。特に排ガスの処理を行う必要があり、そこの通風損失が大きい石炭などは通風動力も大きくその分所内率は高めである。
 色々な観点があるため決めにくいし、また定義は補機動力と発電出力との比ではあるが、これを一定とするのにも疑問はあるが、このプログラムの主旨は熱回収による変化を見ることだから余り拘らず5%と置いたものである。
但し熱回収には膨大な動力が必要だから、その分別建てとしてある。

 左上のコントロールパネルでこの内の幾つかの条件が可変である。
ヒートP入熱は本稿の主題であり、直ぐにも触ってみたいが、その前にプラントの特性、特にプラント効率改善の努力がどの様に奏効するかを見てみる。
 まず主蒸気温度・圧力・再熱蒸気温度を上げ下げしてみて欲しい。
これらを上げれば上げるほど効率は上がる。既述のとおり上の熱量が上がり復水器持ち出し熱量のウエイトが下がるからである。言わば間接的効率改善である。
これを上げる時貴方はUSC (UltraSuperCritical ・超々臨界圧) の取組みの成果を確認しているわけである。色々実機とは異なるところがあるから定性的にだが。
 再熱蒸気圧は下げた方が効率は良くなる。これは再熱温度が変らなければ、低圧の方がエンタルピーが高く上と同じ傾向になるからである。

 抽気を下げると、発電機出力は上がるが、給水加熱が減少して給水エンタルピーが下がり、ボイラー入力がそれ以上に増えて、発電端効率は低下する。
抽気圧力は上げるとボイラー入力も下がるが、タービンでの仕事が減って効率は低下する方向だが、今回1発抽気にしてしまったので余り意味は無さそうだ。

 それではお待ちかね。ヒートポンプによる回収を始めよう。と言っても筆者にはヒートポンプのトップの知見は無い。皆さんが出入口温度と媒体流量、コンプレッサー動力を見ながら、俺ならあるいはうちの技術ならこの程度は実現出来るなと考えながら触ってもらいたい。勿論この程度が出来れば良いなという、門外漢の気楽な操作でもかまわないが。
全てを初期に戻すため、再度実行し、ヒートポンプCOP5のまま、回収量(海水冷却側熱量)を10,000[Mcal/H]にして見る。これは復水器放熱量の2.9%を回収していることになる。
 回収先は回収出口エンタルピー(青丸)が51.17[kcal/kg]に上昇し、ボイラー給水エンタルピー(赤丸)も246.43[kcal/kg]に上昇した。
 発電端効率は39.88→40.66%に増加し、回収用ヒートポンプ動力が2.33オンしたものの送電端効率は37.88→38.32%と0.5%改善された。
 続いて回収量を20,000[Mcal/H]にしたのが下表である。

P_s3

 ここで一つ断っておくが、「この抽気で本当に給水温度がそんなに上がるの?」と言う疑問がある。あえて表示してあるが抽気圧の飽和温度は211.4℃である。また抽気のエンタルピーは833.1[kcal/kg]、抽気圧の飽和蒸気のエンタルピーは668.4[kcal/kg]である。
したがって給水加熱器の復水戻し部の温度は210℃程度で一定として、過熱戻し部のエンタルピー差は164.7[kcal/kg]でこれが加熱すべき給水の0.25しかないから温度的には41℃しか上がらないはずである。
 これは計算の簡略化のため、抽気を1段と極端な仮定を入れたため、起こった矛盾点である。実機に於いては、この程度の規模では抽気は8段ぐらい分けて行われ、この程度の給水温度は確保されている。抽気のバランスよい配分により、給水温度と抽気飽和温度ドレン温度との関係は維持され、給水温度は徐々に上昇していく。
従って、現時点の考察にあたっても実機ではその様に配分されると言うことで、余り極端な場合を除いて多少の矛盾は無視しこのまま継続する。一応参考として、抽気飽和温度から過熱戻し部のエンタルピーで上げられる熱量をlimitとして表示した。この辺の議論は温度≒エンタルピーとしている。

 更に回収量を上げていく。40,000[Mcal/H]で回収温度が100℃を超えた。134Aの臨界飽和温度である。
50,000[Mcal/H]で給水エンタルピーが300[kcal/kg]を超え、また回収動力も11MWHとなり、何台か並列運転するにしても大変なコンプレッサーになる。分割するにしても筆者にはちょっと想像できない。大きすぎるから、抽気タービン駆動か、モーターでも発電機電圧直接ドライブにするんだろうか。
言い忘れたが、媒体の動きも想定しようと、200[kJ/kg]の蒸発潜熱相当で幾ら流れるかも参考表示している。ここでこれが1000[ton/h]をこえた。
 このままの抽気圧・抽気率で直進するのは止め、またドリームジャンボCOPも許していろいろ動かしてみる。
一つの候補が最後の行である。プロに聞いたら無理だよと言う (炭酸ガスの超臨界圧理想サイクルでもこの温度だとCOP6程度) し、ヒートサイクルとしては一発抽気の無理もあって定性的な吟味に耐えないことが判ったので、今回はこれで打ち止めとしよう。送電端で4%アップだが、回収温度は134aなら100ataであり、1700ton/h以上流れる。

P_s2

 しかし、やはり煩雑でも5~8断程度の分割抽気にしないと、回収部からボイラー給水までの解析比較は出来ない。従って竜頭蛇尾の感は免れないが、今回は前振りとしてこれで筆を置き、直ちに次のステップに進むことにした。しかし石炭関連会社で今後販路を維持したいと思うところは、ぜひとも大型・高圧・高性能のコンプレッサーの開発と、また有効な媒体の開発が必要なことは容易に想像が付く。
 程なく新ツールをお目に掛ける。ソースも開示できるだろう。

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2020年までの温室効果ガス排出削減目標、05年比15%減!

 最近ちょっと言語設定Japanese以外の人のアクセスが気になってきた。DVDお笑いセリフの所為かと思っていたが、よく見ると、明らかに技術アイテムで来ている。
過去4ヶ月の7400件中310件4%が、English、Chinese等の言語で、Koreanも在るがおもしろいのはFrenchが原子力アイテムにぴったり張り付いている。
 上位15件が下表で、これだけで3%になる。

En

 追加だが7/5にはSpanishの12件があり、省エネビデオの主なものを数回流して見て行ってくれた。
 もしかして、向うの言語の人の方が、「自由に持って行って下さい」と言っているアイデアやツールの価値を正当に評価して、積極的に持って行くかも知れない。Japaneseも負けないで!。

 さて、どうせ黒幕気取り奴のチャチャが入っただけの日本郵政社長の首の挿げ替え問題などでガタガタし、支持率が再び低下した麻生首相だが、一方で2020年までの温室効果ガス排出削減目標を「05年比15%減」とする中期目標を発表した。
Way to go!久々というより唯一のクリーンヒットではなかろうか。
 経済活性化の面でも、国民のモラル成長の面でも大きな期待が持てるからである。
 「15%等という数字は画餅に近い」と産業界から強い反発を呼んでいる程だから、エネルギーパラダイムに止まらない広範に渡る社会構造変革を必要とするだろうし、国もそれなりの腹を括って取り組む必要が有り、当然国民の相応の協力が必要となる。
 経済活性化については説明不要だろう。これだけの社会構造変革を実現するには膨大な投資を伴い、一気に経済が活気付く。産業界の反発は、単に「変化が怖い」または一部の「既得権益が薄れる」だけじゃないのか?それとも「我が技術者には最早そんな能力は無い」?
 一方、改革は相当数の国民に改めて相応の負担を課すことになり、国会議員を始め、官僚も、学府ですら(前2者は説明不要。後者は雨後の筍の大学がさらに商魂逞しく定員増と入学卒業のハードルを下げ、4年間授業料だけはきっちり納めてもらうようにして、低レベル学生を世に送り出している現状をさす)「わが身第一、儲かれば何でもやる」の気風瀰漫のご時勢に、自然、短時間であっても「地球自然のため、世界の人々の生活の為に自分は何をすべきか、したか」と言うそれらとは全く正反対の雄大清浄の気運を喚起し、薄汚い気風を吹き飛ばすことになる。
 国民のメンタル的成長に大きく貢献することにもなるから、経済活性化とあわせ、他の施策に比べて非常に有意義である。また当然わが身第一主義者は社会の面から消えて行くことになる。国会議員半減以下も、選挙違反無用宣言も、全て実現する。

 温室効果ガスの削減だから、フロン回収等の手法も併用する気かも知れないし、現場を知らない、官僚や強硬派学者センセイの考えに、政治家が便乗したという面があったとしても、折角の公器で省エネブログをやらして貰っている身としては、これを炭酸ガスに限定して、今まで触れたアイテムでこれが何処まで肉薄できるか見てみたい。
 ポイントは後10年後と言う点にある。技術的にはかなりシンプルになる。
発電所建設のリードタイムも無いから、どの電源を増やそうかなどの論議は不要。今あるものをどう使うか、進行中のものを上手く完成させるか、多少の増改造の余地しかない。新エネルギーのブレークスルーも期待出来ないだろう。
 一つ仮定するとすれば、この方針を出すには政府もそれなりの腹を括った筈だから、その点で政府の不退転の決意は継続するものと仮定する。

 僭越だが、当ブログで触れている項目を、出現順にとりあえず挙げると、
① 乗用車EV化
② 保温工事徹底による工場内給排気ファンの停止
③ 冷凍機冷却水温度低減
④ ガスボイラー排ガス熱回収
⑤ 冷凍機冷却水薬液注入変更による効率の改善
⑥ 原発利用率改善対策
 となる。これを定量的に見てみるが、と言っても量的な正確さと言う意味ではない。オーダー確認程度である。仮定を重ねて量的に見てみる程度だからあまり大きく出られない。
ブログでは景気づけに大風呂敷を広げたきらいもあるが、10年という時限、さらに反論もありうると言うことで、多少大人しい値で見てみる。仮定の数値に疑義のある人は自らの数値を代入してもらえばよい。また、元データもそこら中から拾ったものだから、全体や使い方に間違いがあるかも知れない。
 しかし、産業関連表などいかに精緻を装っていても、これより正確な数値が確保できている (確認のし様もないが) と自信を持って言える?特に「県や市の」産業関連表ってやつ。「えっ、そんなのが有るのか?まるで意味無いじゃないか、税金の無駄遣いだ」と思った人は鋭い。変動相場の所為もあって、国の財政出動だって下手をすると国内じゃなく海外を潤しているという状況の中、県や市で括ってみようなんて、所詮関係者の自己満足だけで意味がない。仕事しているフリだけ。詳細は「善人なほもて往生す」にて。

 その前にCO2排出量のベースを揃えておこう。2005年度の国全体の排出は12億9300万トンだそうで、産業別には下表のようになるが排出比率には、「電力分配前」と「電力分配後」の2つがある。火力発電所では実際にこれだけ出ているが、電力使用先の省エネも見ようと発生した電力相当分は電気を使っているところに按分するというのが「電力分配後」である。
「電気自動車などは、運転中一切CO2は出ないが、充電電力は電源の種類に応じた比率で相応のCO2を出したことになるでしょ」と言うのが、後者である。
 従って、電力を含む省エネのベースは、後者で算定することにする。

Co2_ton


 さて、① 乗用車EV化については、「国会議員も、議事のふりした馬鹿話とスラプスティックコメディで無駄飯ばかり食ってないで、この程度のアクションを起こしてくれよ」と言う主旨で触れたものだが、いよいよ気運が高まってきた。
バッテリーとモーターの性能向上と充電インフラの充実だけが課題であり、重点施策として制度・補助で後押しすれば一気に進む。
 財政はどうするかって?大丈夫。当 blog では既に財政制度等審議会の財政健全化目処にぴったり一致する歳出削減計画を、それも審議会の答申が出る前に立案している。エヘン!
財政制度等審議会の見込みでは2015年度までに実現すれば良いと言うんだから、時間的余裕はある。この計画を直ぐに実行すれば何の問題も無い
 それどころではない、国会議員が首を掛けた不退転の決意をすれば、一家に1台EVを無償で支給出来る可能性だって無いわけではない
「政府の不退転の決意は有るんだね」と確認したのはこのような点である。嘘だと思ったら「財政健全化目処」「緊急時放送」などをじっくり読んでみてください。後者は北朝鮮のツッパリをも前提にしたお笑いだが。

 ハイブリッド車の話だが、ここんとこ年10万台のペースで増えてきて、更にプリウスなんか予約が数倍ペースに急増しているんだろ?
ハイブリッドという異種機能の混載と、スケール的にもかなり無理をした造りであの価格設定なんだから、純EVにしたら、半分程度の値段になるはずで、充電の心配さえ解決すれば一挙に普及する。
 下表の様にEV乗用車の新規登録台数が進めば後半は新規登録車の殆どがEVとなり、2020年には乗用車の40%がEVとなる。勿論ハイブリッドの純EV走行も含めて実効的にこの比率と見てもよい。
 「EVは静か過ぎて危険」等は理屈にはならない。必要な警報を完備すればよい。「EVは静か過ぎて物足りない」と言うのは、先ほどのモラルとも関係するが、皆で我慢するか暴走の気配の有るのは取り締まれ。現在の夜間の安眠妨害騒音に対して警察は何を遠慮しているのか知らないが、この辺も今から少しずつ強化して言ったほうがよい。
 ほら早速メンタルでもメリットが現れてくるでしょう?

Ev_2   

 経済波及効果についても、最近「国の」産業関連表から縁遠いのでそこから定量的には言及できないが、直感的に言っても大変な活性化に繋がるということが想像できる。
 また国内だけではなく、自動車産業の世界的ヘゲモニーを日本が確保できるかどうかの分かれ目である。これに追随出来ない自動車メーカー (価格・生産体制で) があるとすれば明日はない。
 おまけとして、モーター効率増の一環として磁気ギャップを極限まで減少していって、ベアリングの信頼性も重要になってきた場合の納入時チェックや、あるいは走行時でも路面状況に影響されずベアリングの傷インジケーションだけが拾える検出器を「3D-FFT」「3D-FFT再登場」に掲載してある。カーメーカーさんでも誰でも自由に持っていってください。

 EVの対ガソリン車CO2排出比は1/4~40%まで色々な見方があるが、技術進歩、下記原発稼動率向上なども先取りして30%と置く。
 現在乗用車とバスだけで150[百万ton]のCO2を出しているから、その内40%のEVの排出量が30%に低減すると、
150[百万ton]×((1-0.4)+0.4×0.3)=108[百万ton]となり、42[百万ton]削減される。これは国全体の排出量12億9300[万トン]の3.3%である。
 これは「2020年までの温室効果ガス排出削減目標を05年比15%減」の骨子を為すが、定量的には不十分である。

② 保温工事徹底による工場内給排気ファンの停止
  当所に於いては17年度827,000[kwh]だった給排気ファン電力が20年度にはとうとう33,000[kwh]まで削減できて、CO2は794,000[kwh]×0.385[CO2-kg/KWH]=306[ton]、事業所全体のCO2に対し3%の削減になったものである。
  これが全国にどの様に反映できるか給排気ファン動力の数値などは不明だから判断が難しいが、技術的に特殊なものは何も無い。ただ直営作業もふくめマニアックなまでに放熱を抑制して行っただけである。
 ここでも政府・通産・省エネセンターなどの特段のてこ入れを期待し、平易な汎用技術だと言う点も考慮して、ちょっと大きいと言われるかもしれないが、産業部門の30%の現場にこの数値が反映できるものとする。
 特段のてこ入れというのは
① 通産・省エネセンター・委託者の重点パトロールと、強力な(場合によっては罰則付きの)保温施工徹底指導。
② 簡易保温の規格統一・大量発注・補助制度・実施時期調整などによる、保温価格・工事費の大幅引き下げ。
③ 高圧ガス法・ボイラー則・その他規則の技術的不可欠以外のファン運転規定の見直し。
  (高圧ガス:換気装置常時運転ではなく、漏洩検知器連動起動可と明記する。
   ボイラー:消防法上の区画ダンパーを設置の上でドラフトが確保できれば少々の負圧でも良いと明記する等)
 産業部門で460[百万トン]のCO2を排出しているから、これの30%相当140[百万トン]排出の工場で同等の省エネが実現出来るとし、この3%を削減したとして、4[百万トン]である。国全体の0.3%になる。
 定量的に大きくはないが、官民あわせて喚起できる省エネ気運は小さくはないだろう。結果として「産業部門の30%」がそれ以上に拡大する可能性も無いではない。

③ 冷凍機冷却水温度低減
  冷却水温度低減による冷凍機効率の改善を種々の角度から見てきたが、いよいよその成果をギリギリ追求する場面が来た。
といっても色々と気になるところもあるから、とりあえず23℃を実現可能点として、それ以上は実溶液温度監視など状況を見ながら進めると言う事で、今後の努力代として取っておく。実際にこの程度のDHCもあるようだ。その意味で当所はトップランナーではない。またターボ単独運転中は21℃とする。
 23℃というのは当所では当然外挿の範囲だが、既知のデータの延長で見当が付くだろう。現状運転と冷却水温度23℃の冷凍機効率比較と、冷却塔電力の比較で現状よりどれだけ合理化されるか見ることになる。「冷凍機・冷却塔総合の省エネ効果」などでみたものの、プラント総合的、かつ通年的検討になる。従ってちょっと長く数字が続くことになるが、付き合いきれないという人は「結論」のラベルまで飛ばしてください。

 アプローチは次のようになる。
ⅰ 1年間の吸収式運転中の実COP、冷却塔電力、湿球温度、冷却水温度など必要データをピックアップする。
ⅱ 上記から吸収式COP=f(吸収式COP製造熱量・冷却水温度)を計算する。
ⅲ 冷却水温度に23℃を代入してⅱ式を計算し、ⅰの実際値と比較する。
ⅳ 既に判っている、冷却塔KWH=f(冷却塔入熱・湿球温度-冷却水温度)を計算する。入熱にはⅲの結果を使う、湿球温度は実際値を使う。冷却水温度は湿球温度17.5℃以下は23℃、以上は湿球温度の4℃アップとする。
ⅴ ⅲのメリットとⅳのデメリットを各時間集計する。
ターボ単独時も同様であるが、冷却水温度を21℃として計算する。

ⅰは4620時間となった。
ⅱは20%トリムにより2750時間残り、下図 (上COP大、左手冷却水温度高、奥行き製造冷熱大但し後を少し持ち上げてある) の様に
    AR-cop = 0.980557 + 0.603652 * 1/(AR-GJ ^ 0.5) + 5907.7 * 1/(Clwtr-Tmp ^ 3)
  となった。

Ars_cop

 ⅰ~ⅳまでの計算結果は、総額だけを羅列しても脳が無いので、計算のエビデンスと言うわけではないがグループ分けした表を下に示す。
表は上からそれぞれ、件数(時間)、実冷却水温度、実蒸気量、実COP、実冷却塔電力、目標冷却水温度、計算COP、計算蒸気量、計算冷却塔電力の表であり、縦方向の90~0が製造熱量、横方向0~27.5が湿球温度の区分の分布平均値となっている。

Lf_wbt1

Lf_wbt2

Lf_wbt3

 同様にターボは2830件、ダブルバンドルは1900件となり、
  ターボCOP = 13.712  - 22.940 ×1/(出力[GJ]^0.5) - 0.00470174 × (出力[GJ] × 冷却水温度[℃])
                                        全寄与率 0.89083
ダブルバンドル冷専COP = 10.449  - 22.494 ×1/(出力[GJ]^0.5) +  1378.4 ) ×1/(出力[GJ] ×出力[GJ] ×冷却水温度[℃])
                                        全寄与率 0.84538
となった。

ラベル「結論」

 3者の総計は下表のとおり、事業所全体のCO2に対し4%の削減となる。

Ars_trs_cop

 このアイテムには結構期待していたんだが、思ったより少なくてがっかりした。しかし経済的にはそれなりのメリットだし、当所に於いては既に半分以上絞った後からの効果だから、設計冷却水温度から始めるところがあれば(少ないとは思うが)それなりの効果は期待出来るのではないか。
 一般的にはこの値の1.5倍、5%の削減 (当所だって2005年から紐解けばそれ以上になる。上の計算は、この後どれ位ポケットが有るかを見たものである) を、産業部門460[百万トン]の20%の設備および事務所店舗学校など240[百万トン]の20%の設備に適用できるとすると、相当140[百万トン]排出の設備で同等の省エネが実現できこの5%が削減できるとして、7[百万トン]である。国全体の0.5%になる。

④ ガスボイラー排ガス熱回収
  これは、当所のような排ガスを100℃以上で排出しているボイラーの排ガス熱回収を考える。
  ガス焚き火力の全てに適用できれば言うことはないが、残念ながら再生蒸気サイクルを構成している発電所などでは有効に働かない。適当な熱の回収先が無いからである。低温の復水系統の何処かに回収できたとしても、その分低圧給水加熱器の入口温度が下がり、抽気が減り、再生率を低減させ余り効率向上に寄与しない。
一方ガスコンバインドは再生率が少ないから、回収すればプラスに効いて来る余地はあるが、一方排ガス温度はギリギリ落としてある所も多いから、回収率に制限がかかる。
 ここでは、環境対応の進んでいるガスコンバインド発電所では排ガス温度90℃の実績も多いことから、煙道材質は何かの観点もあるが、一般ガスボイラーも「酸露点が心配だ」などと利いた風なセリフで躊躇してないで、微小硝酸だけの時の露点をちゃんと計算して (quantitative, quantitative, toujous quantitative.【Plein soleil、Billy Kearns 】)、これに見習ってどしどし100℃以下にすべきである点を確認するだけにしよう。今後設置されるボイラーは全てそうなるだろう。
 既設改造もエコノマイザー追設等とマニアックなまでに難しく考えないで、ホットウエルタンクへの回収を計画すれば極めて平易でルンルンである。
万が一熱供給事業法などの規則に抵触する部分があったとしても。その影響度は小さいんだから、(エコノマイザー故障=ボイラー故障、ホットウエル熱回収故障=ボイラー効率が下がるだけ) 行政の迅速・前向きの対応があるはずだ。
 給排気ファンのところもそうだが、こんなところでガタガタ言っていたら、日本がリーダーシップを取れたはずの世界的温暖化対策が足踏みして、巷間言われる「消費者保護の皮を被ったアンチ行革官製不況」などとは比肩出来ない「技術盲目規制第一日本官製地球温暖化」になってしまうからね。
 当所ではまだ実装してないが2%程度のボイラー効率アップが期待出来る。その容易さと、今後の新設ボイラーの動向を予想して、産業部門460[百万トン]の10%のボイラーおよび事務所店舗学校など240[百万トン]の20%のボイラーに適用できるとすると、相当94[百万トン]排出のボイラーで同等の省エネが実現できこの2%が削減できるとして、2[百万トン]である。国全体の0.1%になる。
 ボイラー燃料のガス比率が不明なので弱気になった。

⑤ 冷凍機冷却水薬液注入変更による効率の改善
  冷却水薬注をスライムコントロール剤と、防錆・分散剤の2液化で、それぞれ適正に制御し始めたら、スライムの付着が激減しチューブ清掃直後の効率が何時までも維持できるようになった。
 途中経過でしかないが、2液化変更前後で冷凍機COP 0.05 程度の上昇が見られる。3%程度の削減が出ている。
薬効が何処でも同様に現れるのか、何時か耐性を獲得した微生物が出てくるのではないかなど、拡大には躊躇する点もあるが、とに角産業部門460[百万トン]の20%の冷凍機および事務所店舗学校など240[百万トン]の30%の冷凍機に適用できるとすると、相当160[百万トン]排出のボイラーで同等の省エネが実現できこの3%が削減できるとして、5[百万トン]である。国全体の0.4%になる。

⑥ 原発利用率上昇
  「東京電力・原子力運営管理部に緊急提言そのⅡ・始めに言葉ありき」「blogのツールを原発へ」「プレコーションマインドで原発を包め・支援警報の威力」等に既述の手法を徹底的に動員して、原発の信用度を高め、利用率を85%まで引き上げる。その分石炭の稼働率を引き下げる。
  2005年度の原発発電量は3,060[億kwh]である。
現在の原子力発電設備は4,800[万kw]であり、建設中は360[万kw]、建設準備中で2016年までに運開予定は700[万kw]となり、合計5,800[万kw]になる。これの利用率85%は4,320[億kwh]となる。
「定検日数などを勘案すると、85%は難しい」と言う声も出るだろうが、インターバルを伸ばすなど色んな手法を取り込む。電力には不退転の決意で望んでもらい、「東京電力・原子力運営管理部に緊急提言そのⅡ・始めに言葉ありき」「blogのツールを原発へ」「プレコーションマインドで原発を包め・支援警報の威力」等に既述の手法も縦横に取り入れてもらう。これにより原発技術に対する周辺住民の信頼度は大きく改善されている。もしかして、準備中の予定も周辺同意に関する限りずっと早まっている可能性もある。
 どうしてかと言う声に対してその既述の手法を簡単に再述すると、
① 作業員の労災撲滅に対しては、予定行動発声申告制を導入する。
  これは、隣接作業員とのコミュニケーション確立は言うに及ばず、発声行為そのものによって作業員の前葉頭が覚醒化し、周囲状況の危険予知と作業の精度維持に対する感受性が増大するため、従来のような不注意は撲滅される。
② メーカー技術員招致を拡大する。
  (色々不備のあるらしい)施工要領書首っ引きの作業でなく、餅は餅屋、メーカー技術員招致を徹底 (技術面に於ける、協力企業とやらの単独作業は信頼できないと言うことである) し、その蓄積された技能と「メーカーの看板を背負っている」というモラルから来る作業の緻密さを吸収する。
③ 強い権限を有する安全監視パトロール、防火監視パトロールを常時巡回させる。
  扱っている危険物の物性・危険指数を熟知して、ガス検知器なども携帯した防火監視員、作業安全知識を熟知した安全監視員を常時巡回させ、作業環境の点検、監督と作業者間の調整、飛込み作業発生時の周辺との調整など、強力な権限で防災、労災防止に当たらせる。
④ ユーザーオリエンテッドな警報システムを導入して、プレコーションマインドで事故・不具合をその前段で捕らえ、軽度の内に対処する。
  システムはユーザーが必要に応じて(必要な手続きに於いて全員参加で)平易に構築が可能、また不要な警報は出さないなど、事故時のオペレーターの対応が容易になる。
  また、レベルスイッチの不具合によるポンプ発停の不調による放射能水オーバーフローなど、プラントに良くある不具合も直ちに感知する。
  警報閾値に向かおうとするPV値をその前段で把握して注意を喚起する。  

 半信半疑の人も居るかもしれないが、詳細記述を読み返し、他に有効打があるか虚心坦懐にじっくり考えて納得してもらうとして、利用率が無事85%に行けば、原発電力は3,060[億kwh]から4,320[億kwh]へと1,060[億kwh]増える。
電力全体の消費量は今後省エネ家電などの普及で増えないとし、この分石炭が減るとすると、電源別のCO2排出量は975[g-co2/kwh]から22[g-co2/kwh]に減るから、
1,060[億kwh]×100,000,000[億kwh/kwh]×953[g-co2/kwh]×1/10,000,000,000[g/万トン]=10,100[万トン]と国全体の2005年度の 7.8%になる。(単位がこんがらかっちゃう)
 やはり原子力の脱CO2効果は定量的に大きなものがあった。要するに「2020年までの温室効果ガス排出削減目標を05年比15%減」などという目標を実現するには、EVでもあの程度だったから、原発は不可欠である。
 従って、上記原子力作業環境改善手法が納得できず、そんなことが出来るものか、そんな効果があるものかと思う人も、「2020年までのCO2排出05年比15%減」と言いたいならばこれを避けては通れない。実行あるように務めるべきである。さあどんどんやってみよう。
 もう一方で、「地球温暖化が大変だ。直ちに行動すべき」とアジっている人たちで、「原発運転反対」と言っている人たちがいる。例えば坂本龍一氏である。これも定量的に考えて矛盾だろう。さらに家庭のCO2排出量は多くないと言うことまでわかっていらっしゃる。
クリエーターとしての卓越した感性が地球温暖化の緊急性を感受し、また一方で原発運用の危機を感得しての止むに止まれぬ行動かもしれないし、若い頃の彼女.が坂本龍一のファンで、彼へのライバル意識でキーボードを始めたと言う経緯もあって茶々を入れている訳でもないが、「何でもカンデモ反対」としか聞こえない。

 フロン回収などに大きなウエイトを設定するのでなく、「CO2排出05年比15%減」と言えば原子力推進しかない。
 柏崎刈羽だけでも、全機稼動すれば、3,000[万トン] 2%強の削減になるという、第3者の計算もある。
協力会社の仕事抱え込みのためメーカー技術員の招致も少なく、「施工要領書」首っ引きの作業が時として十全の結果をもたらさず、不適合の連発と言う事態を招いていると言うのが、筆者の斜視で無ければ、これ程重要な電源の保守体制であるとの自覚薄弱な (だってそれが有ってこれだけ不適合が出たら、「恐れながら力不足です」または「メーカー技術員招致して下さい」と頭を下げるはずだよ) 「協力会社」とやらの、本社からの天下り重役の責任は重大だ。

 以上でしめて「CO2排出05年比13%減」と言う数字になった。エネルギー消費量の増加は見込んでない。誤差範囲としている。また本来DHCとしてエネルギー部門で括るべきだが、比率が少ないので、産業・事務所部門の何%としてそこに含んでいるものとする。
 ハッキリ言って数字遊びだった。そう上手く行くはずもないと言う見方も有るだろうが、半面実行の熱意があるかどうかにも掛かっている。少なくても新技術の実用化を待っているわけではない。ある場所において実際に実現されている事象である。
その意味で強力な牽引力さえあれば、進む。
 その他に細かいところでは、ポンプの出口弁を絞ってないか、などのチェックポイントがあるから、省エネ監査などで見る目のある人 (冷凍機の運転基準が紙切れに書いてあるかどうかなど運転管理手法ではなく、純技術的な省エネを) が見ていけば、いろいろの改善点に気付き、当ブログ以外の手法も一杯出てくるだろう。

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my favorite Ⅷ

 10年前SONY音楽グループが30周年記念で総力を挙げて開発したコマーシャルベースに乗せない CelebrityⅡと言うコンボシステムと audio technica の ATH-ESW9 を愛用している。
CelebrityⅡは、スピーカーハウジングはストラディバリウスのボディにも使われているマホガニーに、塗装はどうしたこうした。電源コードは無酸素銅で何だかんだ。目一杯こだわって造って、売るとすればうん十万だそうで、実売24万。
液晶の文字が薄いが、液晶を眺めるものじゃないからしょうがないとして、電気回路のレスポンスとヘッドホーン ATH-ESW9 の音圧で文句なしに楽しんでいる。
 これらによるDVDの楽しみ方については既述であるが、これのMDに目一杯個人的にこだわりのある曲を入れたので順に紹介する。
かつてベースやキーボードをコピーしたナンバーもあるし、酒が入った時の十八番だった歌もある。ただ聴き流して低音やパーカッションのリズムが体に染み渡るヒーリング効果を楽しむというのもあるが、その点を併記してある。
 密かに、自分の葬儀の時はCelebrityⅡの大音量で流して欲しいと思っている。並みの坊さんより向うが判っているからこれさえあればお経は要らない。筆者の葬儀で涙を流す人は居ないだろうが、穢土からの足抜けである、どんちゃん騒ぎして欲しいし、参列者の度肝を抜いてやりたい。

* Highway star * ベース、キーボード
 30年前の曲だが、今でもTVでスピード感を出したいシーンやCMののBGMによく使われている。
 キーボードで最高にノッたのは、厚生行事のクリスマスパーティーを長崎市内のホテルでやった時。ロックオルガンがスラー気味に半音づつ上げていって16分音符が延々続くソロに入るとボーカルの女の子が来て、ディストーションスライダーを一杯利かせてくれる。フットコントロールでもいいんだけど気が散ると指が滑らない自信がないから。つまり、ミキサーも居ないアマチュアバンド。
その時、昔取った杵柄の同期のギターリストがステージに背を向けて、カクテル片手にじっと演奏をチェックしているのに気付いた。「ふんっ、口ほどでもない」
 最後のシャーンと言う残響音にはかなり入れ込んだ。演奏には体力がいる。
 ベースラインはよく冬のクリスマスの演奏の前に指のウォーミングにしていた。
 娘に頼んで着メロに設定してもらった。電車内で鳴ると結構目立つ。

* burn * キーボード
 これもdeep purple。ギターがいない。キーボードソロだけくっつけて burning highway star とか考えたが、体力が・・・  (体力だけ? ۵)

* ff * キーボード、歌唱
 ハウンドドック、さびのキーボードソロでめだつのが快感だった。
 唱の方はど演歌指向だから、キーボードやベースで見せるリズム感は到底出せなかった。

* ロックス * キーボード
 同じ、冒頭から続くベースラインをシンセでひたすら機械的に黙々とプレイするのが気に入っていた。

* pearl fisher  * リスニングオンリー
 ポールモーリア。アルフレッド・ハウゼも良いけどこれもね。
昔のカセットのでは、陽光の下、わたつみの彼方からの蕩々たる水面のうねりを髣髴させるストリングスがフィーチャーされていて聴くと元気が出た。

* ロザリオの島 * 歌唱
 春日八郎、えっ?
「さよお/なぁら」と一挙に一オクターブの跳躍が聴かせどころ。
当然カラオケにはないから、飲み屋のピアノ伴奏か、アカペラしかない。
 思案橋の飲み屋でピアノ伴奏で歌ったら、ビアノ弾きは前川清?だかの先生で「彼は何者か」とホステスに聞きに来たと言っていた。珍しい事だって。歌舞伎町のバッティングセンターの先の、普通のおばさんに戻っていたころの都はるみが顔を出していたという萌木という飲み屋でも歌った。
 celleblityⅡと ATH-ESW9 で聴くと、間奏のオーケストラなんか、まるでNHKホールにいるような音響で迫ってくる。

* 伊豆の踊子 * 歌唱
 三浦洸一の方、カラオケにある時もある。十年前プロと対決した時の筆者のノミネートがこれ。完璧に負けた。プロの歌には聴く人を包み込む温かい華があることを知らされた。

* 石狩川エレジー * 歌唱
 いい曲だが、celleblityⅡと ATH-ESW9 で聴くと、三橋美智也は破擦音をきれいに発声する勉強をしているのかなと思ってしまう。「木立の丘の」の「か」の音のなんかつばきが飛んでくる。それとも収録が悪いのかな。

* 六本木心中 * キーボード、歌唱
 冒頭とさびの、早いアルペジオとメロディラインの両手プレイが緊張して、面白くプレイしていた。
歌唱と言うのはおこがましいが、20年前、上海の錦江飯店近くのカラオケで女の子と歌った。 (あったんだこれが、フィリピン系資本の店には)
 キンキラのデコレーションが珍しいのか、数珠なりの人が窓ガラス越しに覗き込んでいて不気味だった。今みたいに上海も開けてない頃、東浦地区なんかホテル (和平飯店、旧サッスーンハウス) の窓から見てスラム街だと思ったもの。

* ダイアモンド * キーボード
 プリプリ。10年前、人前でやった最後のキーボード。
 打ち上げの時、カラオケで同じ曲を歌おうとしたボーカルの女の子に sasayan のバックじゃなきゃ乗れないと言われた。
カラオケのバックはかなり端折っているんだよね。筆者のはオリジナルの完全コピー。

* ムーンライト伝説 * キーボード
 メロディーのバックにある下のリズムをコピーしたりしていた。

Moonl

 以下は全てポールモーリア。
 ポールモーリアのCDは PHILIPS のものが多いが、音像の鮮明さでは PONY CANYON がリードしているんじゃないだろうか。勿論、収録ホール、インストルメント、ミキサーの腕などによるんだろうが。
 CelebrityⅡと ATH-ESW9 では、ポールモーリアが色々な曲でサウンドとリズムの冒険をしているのが良く判る。 フランス人のレスプリも、これから新曲を聞けなくなくなって寂しい。

* 禁じられた遊び * リスニングオンリー
 ギターソロに比べて殆ど暑苦しいと言える程の重厚な音作りも偶にはいいね。

* パリの空の下 * リスニングオンリー
 この後にも出てくるが、サウンドの冒険の1つでドラムセットの音像を右左全域に広げてある。従ってたまに遊んでくれるパーカッションの刻みとあいまって、その180度レンジの位置的躍動を楽しめる。
 音楽だけでシャンゼリゼのカフェテラス気分。

* マドンナの宝石 * リスニングオンリー
 全く減衰しないベースの輪郭がくっきりとした演奏はすごい。
一度、かみさんが見ている韓国ドラマのBGMに使われているのを聴いた。向こうのドラマは日本なら1昔前のこんな甘いトーン(俳優・ストーリー・BGM)が好きで、それがまた日本の女性に受けるんだよね。

* アルビノーニのアダージョ * リスニングオンリー
 アテネオリンピックの開会式入場シーンでも流れていた曲。マーチ風にアレンジしてあったが。
 ポールモーリアはクラシックにリズムを与えてくれた。エキスの部分では些か換骨奪胎の感は免れないが。
クラシックは好きなんだけど、ロックのお陰でベースやパーカッションでリズムがしっかり刻まれてないと聞いて居られない体になってしまった。

* ゴッドファーザー愛のテーマ * キーボード
 もたれ気味のかかとに重心を置いたような重厚なメロディ演奏は参考になった。

* 雪が降る * キーボード、歌唱
 一時期、「Tombe la neige. Tu ne viendras pas ce soir.」とやっていた。途中のセリフまでフランス語で入れたが、とても聞けた物ではなかっただろう。
 反面キーボードでは冒頭からの降雪をイメージした2オクターブにわたるアルペジオは、片手が直ぐイントロのため指が動かせず、1オクターブの繰り返ししか出来なかったが、それ以外のポールモーリア固有の、ベースラインとメロディ、リズムセクションとメロディの掛け合いをかなり良いところまでコピーできた。こういうトリッキーな演奏が一番楽しめた。

* コンドルは飛んでいく * リスニングオンリー
 池袋等のJR駅前でペルー人かのグループが偶に演奏しているのを見るときがあるね。

* 涙のトッカータ *  ベース、キーボード
 ビートルズの武道館コンサートに行き、A hard days night の冒頭のジャーンの音を拾った(ジョージ・ハリスンはポジションを盗まれないよう後向きでジャーンと始まったんだって。当時の他のミュージシャンは皆Cのコードでお茶を濁していたそうだ)、TTの前座で本人よりハイテクで津軽ジョンガラ節を演奏して怒られた、などと豪語していたギタリストのグループに入れてもらっていた時からの馴染の曲。
 キーボードでは、メロディと裏メロを全てほぼ完璧にコピーした。

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3D-FFT再登場

 絶大なるご支援(?16ヶ月、アクセス500件、延べ9時間)に応えて、3D-FFTを化粧直しで提示するが、その前に恒例、気候の挨拶である。

 柏崎刈羽7号機は安定して定格運転を継続している。他号機も同様に立ち上がり、料金的にも、CO2的にも有利になってくれば言うことは無い。
 また新潟県で、原発を不安定なものと忌避するのでなく、積極的に地域振興に活用しようという動きが出て来ているそうである。結構なことだ。
但し、お互いに少し努力しなければならない点も有り、その態勢作りが重要である。
 それは、原発部外者も最低限の技術知識・技術マインドを持つと言うことである。特にプレス関係者には責任がある。
もう一つは、原発も技術プロの審査眼にも耐えられる定量的観点での高度のものと従来どおりの平易なものと2本立てで広報を行うことである。
 例えば6月5日、柏崎刈羽7号機給水ポンプ出口弁よりリークが有ったが、「弁の上蓋が緩んで湯気が出た。蓋の緩みを閉めて止まった」とある。上蓋とは何だと写真を見たら、業界タームでは(もったいぶらず、門前小僧の耳学問でも)これはグランドである。
「グランドリーク」と言うと「専門用語を使うな」と言われるから「上蓋から漏れた」と言っているんだろうが、弁の上蓋が漏れた場合と、グランドリークとでは技術的なシビアーさは全く違う。
 グランドとは弁シャフトが弁体を貫通している部分の漏れ止め機能で、弁開閉時にシャフトが回転または摺動する部分だから、パッキンの老化、締め方の弱さによっては漏れることもある。グランドのフトコロは深いから、湯気程度なら放射能でなければその内止まる事を期待して放って置く場合も少なくない。
しかし弁本体に蓋構造があり、これが漏れたと言うとこれは許容できない。可及的速やかに内圧を抜き、スパイラルガスケット交換を含めた修理をしないと、漏洩ルートの道筋も短いから急激に増えて来て、本体も削られる。
 今次不適合では、プレスも報告書も全て「蓋が漏れて締め付けた」となっているが、写真を見ると蓋がある様な構造ではなく、グランドしかない。
情報が余り簡略化されると、トラブルの軽重も判らなくなる。
 ブレスも受け取ったままフィルター無しでそのままオウム返しに報道するのではなく、この差が判る程度の技術素養を身に付けて「蓋と言うのは弁本体が蓋構造になっているんですか?そのリークだと重症ですね」位の確認が出来ないようだと、報道内容に対してズブの素人だと笑われてしまう。経済だって、政局だってその程度の専門知識をバックボーンにして記事を書いているんでしょう?なんで技術記事だけ小学校学級新聞工場見学記レベルになるの?
 原発を積極的に活用しようと言うコミュニティーの人たちも、前向きの姿勢だから違うと思うけど、他のグループのように「専門用語を使って煙に巻くな」と言うclichésに安住して最低限の技術審査眼が身についてないと、「原発を不安定なものと忌避するのでなく、積極的に地域振興に活用しよう」と言う前段の担保が危うくなる。
 「専門用語を使って煙に巻くな」と言う指摘をこれ幸いと渡りに船にして「簡略化された情報で、トラブルの軽重も判らなく」する狙いが原発側に無いとしても、実態は間違いなくその様な影響を与えているからである。
 この程度の内容レベルが広報だとは思えない。現状は「『不具合を全部詳らかにせよ』と言われたから、素人にも判るようにやってるじゃないか」と安易な定性的内容オンリーで開き直っているとしか思えない。技術屋の審査眼に耐えうる2本立てのプレスリリースにしてくれないと返って疑心暗鬼になる。
 海外メディアだって笑っていると思うよ。「学業レベルが落ちてきたとは聞いているが、いよいよ日本人の技術咀嚼力はこの程度になってきたのか。専門家は違うだろうと言ったって、もっと詳細内容を出せと言わないんだからその程度でしょ」
 何方かプレスの人、「東京電力・原子力運営管理部に緊急提言」「東京電力・原子力運営管理部に緊急提言そのⅡ・始めに言葉ありき」「blogのツールを原発へ」「プレコーションマインドで原発を包め・支援警報の威力」などに記述の疑問点を公開でぶつけてみてくれないだろうか。かなり盛り上がると思うよ。
これは意地悪や面白がって言っているのではない。原発にはエネルギー的に大きな期待がある (この後改めて判ってくる) から、しっかりして貰わなければならないのである。

 さて本題の3D-FFTだが、従来品(下記ビデオ)

 に比べて次の点が異なる。
1.代表的ベアリングの傷関数をオープンにした。
2.プログラムソースをオープンする。
3.汎用的使用を追及するためマイナーチェンジした。
 ① 元波形データをクリップボード経由で入力できるようにした。
 ② 60ヘルツ地域でも使用できるように、すべり調整可能とした。
 ③ 機器とベアリングの関係はユーザーが入力することとした。

 各項目について述べると、

1.代表的ベアリングの傷関数をオープンにした。
  ベアリング傷解析に興味のある人に見てもらえるよう、傷関数を覗ける様にした。
  代表的ベアリングをリストから選んでも良いし、****を選択すると全てを表示するから、ベアリング型番をクリックすると他の型式のも選択できる。
  但し、実運用した範囲でスペクトルと大体のところで一致することは確認しているが、全て正しいかどうかは責任持てない。
  確実なものが必要なら、売ってもいるようだからそちらから入手してください。

2.プログラムソースをオープンする。
  全てをさらけ出すようで、これが一番恥ずかしい۵
  継承も、オブジェクト指向も、視認性も全て無視した、フロー図による事前検討まるで無し、継ぎはぎ、独善、我流プログラムで2000行が1つのunitだけで出来ている。
  しかし一応動くので、パスカルの判る人は体裁から直して貰えれば、自分好みに訂正できるだろう。慣れてくればその後コアー部の機能アップにトライしてもらえばよい。
  売りは表現方法、表示のアイデアだと思っている。万が一メーカーさんで、自社の製品に組み込もうと言うところは全く自由である。This is profitable.【ラスベガスをぶっつぶせ、ケビン・スペイシー】
  「blogのツールを原発へ」で「ツールそのものは技術的には大したものではない。電力各社の関連ソフト会社でも軽く出来る。」と言っている。電力関連ソフト会社でも参考にしてより良いものを作って電力を中心に売り込んでください。
  おそらく電力程の関連会社なら「てやんでー、3次元表示のFFTアナライザーなんかとっくの昔に製品化してらぁ。今頃出て来て何言ってるんだ」と言う反論があるだろうが、これを触って見てなおかつそう言うんなら、某発電所の事故解析執筆者と同様、技術のバイタルポイントをつかみ切れないと言う弱点をさらけ出す。
  当該3D-FFTは意味無く単なるこけ脅かしで立体表示しているのではないと言うのはお判りだろう。波形のポリゴンをピックアップして細かい精度でスペクトル周波数を知ることが出来る。「スペクトルは、周波数軸の目盛りから読み取ってください」ではない。これはまだないと思うから、上の物言いになったものである。
  また、ベアリングの傷関数とこれ程容易に対比できるものはあるんだろうか。滑りまでコントロールできて。

3.汎用的使用を追及した。
 ① 元波形データをクリップボード経由で入力できるようにした。
  ユーザーは振動波計を色んな形で入手するだろうが、汎用的にはExcelに書かれるんだろう。様式も色々あるかも知れないが、縦一列の波形データと言う形は一般的だと思うので、これをコピーしてクリップボード経由で入力できるようにした。
  この場合、サンプル周期または、全波形時間を別途設定することになる。

 ② 60ヘルツ地域でも使用できるように、すべり調整可能とした。
  前回、関西では使えないことに気付いていたので、すべりをマイナス方向に振れる様にした。滑りは率で、50ヘルツ、60ヘルツ両方に対応した値になっている。また1クリックで50ヘルツのポイントに戻れる。

 ③ 機器とベアリングの関係はユーザーが入力することとした。
  前回のは当所仕様で、機器とベアリングの対照表があってそれから取ってきたが、これを別にしたからユーザーに選択してもらう。極数も同じである。

 ソースに行く前に、使い方だけ見て見る。
 プログラムは ダウンロード d5fftp.exe (840.0K)である。ダウンロード glut32.dll (232.0K)が必要なのは変らない。また波形操作用に信号処理用関数パッケージのフリーソフトを使わせてもらった。ダウンロード OTMATH.DLL (343.0K)が要る。
 他に波形データは ダウンロード vac11.xls (372.0K)ダウンロード hac11.xls (762.5K)ダウンロード vbp2.xls (919.0K)ダウンロード hbp2.xls (951.0K)である。
csvなら軽いんだろうが、汎用を狙ってxlsにしているので、アップロード制限により細切れのデータになってしまった。
 頭に「v」があるのは振動の速度波形である。「h」は場合によってH関数と呼ばれる、加速度波形を包括検波したもので、最終的にはこれをスペクトル分析して傷周波数と対比する。
従って、「v」の速度波形はプログラム内部で微分し、絶対値に直し、ローパスフィルターを通して「h」波形もどきにする。
 ac11とは空調器のモーターでかつて内輪傷を拾ったものであり、2秒間9600データである。これは時間軸方向は殆ど幅が取れない。
bp2とはボイラー給水ポンプで、2極で5秒間24000データである。これもFFTの精度を上げると時間方向が圧縮される。
時間方向の幅が少ないから、3Dと言うのは気が引けるが、ポイントはピックによる周波数読み取りでこれは絶対残す。
 また長期サンプルで判るが、スペクトルは時間方向で変化する。これが振動の実態だろう。増えているかどうかを知ろうとすると、多数の平均値などの比較が必要である。また下の「もどき」の理由などもあって絶対値の大きさは不問としている。
「h」波形もどきと言ったのは、途中の微分処理、LPFをotmath.dllで実施するが、この使い方を熟知してないためか結果に純然たる「h」関数のスペクトルに対して余計なスペクトルが出てしまうことである。
但しvitalなスペクトルは出るので、ペアリング探傷には余り問題は無い。このスペクトルは何だと悩むより、ベアリングのタイプを切り替えて言って傷周波数と一致するスペクトルを見ていけばよい。傷を見つける実用性第一と言うことにしておく。
 プログラムを触れる諸兄なら、使い慣れた薬籠中のコードがあるだろうからそれに置き換えればよい。

 それでは、 d5fftp.exeglut32.dllOTMATH.DLL、それにvac11.xlshac11.xlsvbp2.xls hbp2.xlsのデータを同一ディレクトリーにダウンロードしたら、d5fftp.exeを実行する。
 最初にデータファイル名としてhbp2.xlsが選択されている。Sheet 名、セル範囲、波形タイプ、サンプル期間、軸受け選択、機器名称、極数、など必要な項目はFFTのLog2(N)を除いて全て設定済みであるので、「データ取込み」ボタンを押す。
1,2秒後に「 24000個のデータをコピーしました。」となるから、Log2(N)でFFTの精度を決めて「FFT -> Display」ボタンを押す。
N=12のまま実施すると、結果は些か鈍っているが、スペクトルも一致しない。そこで6307ベアリングのタイプを「2/6」にすると、内輪1次にスペクトルが出ていることが判る。ボール1次も僅か出ているようだ。
 モーター滑りの値は、「R」をチェックして回転起因の振動スペクトルと一致させればほぼ正しい値に設定できるはずである。全く偏心のない振動のないモーターではこれは使えない事になるが。
その他、使いやすそうな機能満載なので一々説明しないが下のようなところを触ってみてください。

Bp2h_2   

 続いて速度波形でやってみる。vbp2.xlsを選択すると「v」波形となる。
今度は尖鋭にするためN=14で実施すると、内部で上記のような処理をした後FFTするが、データが24000個でも1回に16384個要るため3回しか分析してくれない。(FFTデータグループの両端はどうせ窓関数で抑制されるんだから、重なって取り出しても良いやとしている。それがシフトである)その分スペクトルはくっきりして、回転同期周波数との一致も良くわかるから、この時の滑りはR2、R4などが一致する下図の程度であったことが判る。
 また波形処理関数の使い方の不適合による外乱スペクトルも散見されるが、この場合気にせず傷に一致するスペクトルと回転同期スペクトルに集中すればよい。(所詮言い訳だね۵時間ができたら微分、LPB等もちゃんと勉強しよう)
例えば、「h」波形と同様ボールの1次スペクトルもはっきり出ている。「h」波形での周波数も86.44だったから、「v」波形から起こしたスペクトルの周波数も86.44で全く同一である。
また、内輪1次はこの場合はたまたま周波数が一致したが、0.5ヘルツ程度の誤差は発生すると見た方がよさようだ。これは振動計のサンプリング周波数によるところが最も大きいだろうが、回転同期周波数に補助線を入れ、回転スペクトルと一致させることでかなり補正できる。

Bp2v  

 次いで、hac11.xlsを実施する。選択すると全ての設定が変化する。
N=13でFFTを実行すると、データが少ない分時間軸がさらに狭まるが、ちょっとゆっくり廻っていて滑り3%程度で6205の2/4のタイプと比較して、内輪1次に卓越スペクトルが出る。ボール1次にも小さなスペクトルがあるようだが3ヘルツ乖離していて製作誤差か測定誤差が計算誤差かわからない。

Ac11h  

 次いで速度波形でやってみると、やはり使い方の不適合によると思われる外乱スペクトルが出てくる。しかし内輪1次は拾っているので、傷の検出だけは出来そうだ。

Ac11v  

 実はwavedataシートの表に各段階のデータが入っていて、マウスクリックで取り出せるようになっている。
2番目の列が入力データだから、読み込んだかどうかも見えるし、個数もチェックできる。「H」波形の場合はこの列を直ちにFFTに掛ける。
「V」波形の場合はこれを微分し、バンドパスフィルターリングし、検波し、ローパスフィルターを通したもの、即ち5列目をFFTに掛ける訳である。
 下図はその各ステップの数値であるが、この段階の何処かで不勉強に因るミスマッチが起こっている可能性がある。我と思わん者は自分のものとして直して下さい。そうすれば堂々とプログラムは自分のものだと主張できて製品化出来るでしょう。

Wave  

 このベアリングを分解したのが下図で、ぼやけて見難いが爪で引っかかってやっと判る程度のフレッティング前の傷が内輪に有って、当該手法の有意義さを改めて確認したものである。
ベアリング不具合の写真に出てくるようなのは最終段階で、あんなのが回っていた事自体が信じられない。既に手や音や熱で判るし、もしかしたら過電流でトリップした後のベアリングの写真である。まあ「軸受に気をつけて」「振動計売らんかな」の写真なんだろう。その前段階は下のようにとても絵にはならないから。
 スペクトル解析ではトラブル初期の段階ではっきり出てくる。これで初期段階で傷のあることをつかんでいれば、何かのついでにまたは「ちょっとインターバルには早いが、分解してベアリングも交換しましょう」とやれば、慌てないで、かつ合理的に保全が出来る。しつこく言っているプレコーションである。
貴プラントでもこれを導入すれば月1で充分だから常備する必要はなく、関連事業所たらいまわしでも良い。振動計は買っても10万強である。

6205  

 実はhac11.xls のmcbfr シートのデータと mcaft シートのデータは2時間のタイムラグである。この間でベアリングを交換した。その結果どうなったか、hac11.xls のシート名を mcaft にして実行してみよう。下図のように何もなくなってしまった。新ベアリングだから当然と言えば当然である。玉の6次スペクトルが出ているようだが、内輪1次の大きさから言えば取るに足らない。

Ac11aft  

 Delphiのコンパイルに必要なのは、ダウンロード d5fftp.dpr (0.2K)ダウンロード d5fft.pas (66.2K)ダウンロード d5fft.dfm (33.5K)ダウンロード brg.rc (0.0K)の他、ダウンロード OPENGL.PAS (74.5K)ダウンロード glut.pas (24.4K)、math.pas、ダウンロード WINMATH.PAS (29.2K)、またリソースにするためにダウンロード brglst.csv (179.8K)が同じディレクトリーに無ければならない。(何だ、これを見れば傷関数は全部判るじゃないか)
d5fft.pasは恥ずかしいが、一応全てのルーチーンに説明を入れたので誠意はわかって欲しい。後はどのように料理するかは貴方次第。
右端から始まっているルーチーンは筆者独自のもの、スペースを空けて始まるのはdelphi自動生成のものである。返って判りやすいでしょう?

 「ところでD^5-FFTとは何だ?」
実は、2つのスペクトルを同時表示し、過去の波形などと対比できることを考えて、面白がってネーミングが先行し、Dual-Dfft-3Ddisplay=D^5-FFTとぶち上げようとしたが、躓いた。
 Dual表示そのものは、すでにDuo-3Dで実現しているから問題は無く、周波数軸を含めて2つの波形の位置をコントロールでき、次第に近づけて行ってやがて最後にぴったり合致する様にすれば良いだけである。
躓いたのは、スペクトル計算結果表示スペースが取れないことである。2つのデータは滑りが異なるから、どうしても2つ要る。図と表は操作上どうしても同じ画面で見たい。そうすると最早Duo-3D波形そのものを表示するスペースが無くなる。ましてや徐々に近づけて最後にぴったり合致させるなどと言うお遊びの余地なんか何処にも無い。
 従って、アイデアだけは温存し、大型ディスプレイの採用か、表示機能の省スペース化か、条件が整ったら実現するために、ネーミングとしては取っておく。
 電力関連ソフト会社さんなど、このアイデアを先取りして製品にしてもらっても一向に差し支えない。

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デイリー・テックの発行

 久々に暁の啓示があって、その帰着はデイリー・テックを毎日発行するということになった。

 啓示とは「全ての現れは、そのまま有意義な現れである」という事だが、それがどうしてデイリー・テックとやらの発行に繋がるんだと言う疑問は出る。
 ここ数日その前兆もあったものだが、まあ聴いてください。

 ブログの前半100稿を費やして、国会議員を口汚く罵っている♪が、これも我々人民の虚浮のカルマを一心に引き受けて消してくださる有り難い存在だと思えれば、どうと言うことも無い。
ああコンサル」などのコンサルさんの存在も同様だろう。
しかし、最近気になりだした原発不適合件数の多さとその解析・報告の技術レベルについて、これはもう悪意のサボタージュの存在か、「木は森に隠せ」の確信犯を仮定しない限り殆ど説明不可能だろうと思っていたが、この時もう一つの同様の可能性に気付いた。
 「電事連が各社にプルサーマルの見直しの必要性の検討を要請」したそうである。
MOXデータ改ざん発覚があり、中越沖地震なかんずく多数の活断層の存在がクローズアップされ、更に原発の不具合が多発し、どうもやりにくくなってきた。原子力委員会にもプルサーマル計画の妥当性を疑問視する声が強いと言う。
 「見直しの必要性の検討」だからまだずっと手前だが、想像を逞しくすれば、プルサーマルの拡大に、あるいは日本におけるプルサーマル自体に我々の予想できない重大な問題点が内在しており、人類存続の見地からこれを阻止しようと言う働きがある場合である。It means that I keep my options open infinitely.【レッドオクトーバーを追え、Richard Jordan】
レッドオクトーバーを追えと言えば、「基本的に宗教を認められない共産主義は、何時までも存続させる訳には行かない」と言う強い意思が、ソ連終焉時に連邦内外の関連キーパーソン及び群集の意識に作用したことが判っているし、「とても付いて行けない」といわれるだろうが、原発不適合多発と報告書内容はこれに比肩するレベルである。
そう考えて初めて、あの件数と報告書内容が納得できる。「全ての現れは、そのまま有意義なものである」
 「何の事かさっぱり判らん」だろうが、最近その様な外力の介入の具体的な解り易い例をまた見つけたので、経験者山岡鉄舟自身に語ってもらおう。「慶應戊辰三月駿府大総督府ニ於テ西郷隆盛氏ト談判筆記」からである。
「既ニ六郷河ヲ渡レバ官軍ノ先鋒。左右皆銃隊。其中央ヲ通行スルニ止ムル人ナシ。隊長ノ宿営ト見ユル家ニ到リ。案内ヲ乞ハズシテ立入リ。隊長ヲ尋ヌルニ是ナルベシト思フ人アリ。(後聞ケバ篠原國幹ナリ) 則チ大音ニテ朝敵徳川慶喜家来山岡鉄太郎。大総督府ヘ通ルト断ハリシニ。其人徳川慶喜徳川慶喜ト。二聲小声ニテ云シノミ。此家ニ居合ス人凡ソ百人計リト思ヘドモ何レモ聲モ出サズ。唯余ガ方ヲ見タル計リナリ」
要するに、あの剛の者の篠原國幹は云うに及ばず百人ほどの官軍兵士全てが、山岡鉄周と益満休之助コンビが「朝敵徳川慶喜家来山岡鉄太郎。大総督府ヘまかり通る!」と大声を張り上げて通過するにもかかわらず、さっきまで「こいつを倒さなければ維新の意味がない」と皆で息巻いていたはずの敵の総大将の名前も一瞬理解出来なくなり、敵の勝手な往来を目にして何をして良いのか、みんなで金縛りに陥ってしまっているのである。
 明らかに「この者が、西郷と会談するのは、江戸市民の命・日本の将来にとって必要不可欠だから、絶対に通過の邪魔はさせない」と言う意思が、篠原初め一同の思考力を一時麻痺させているのである。金縛りと言うより哀れなロボトミー状態である。
その後、至近で発砲されたのに弾が出なかったとか同様の事例は多数あるが、これが一番解り易い。
 プルサーマルと、火災・労災件数、報告書の水準、同様のアナロジーとして見えてこないだろうか。
 判って貰えるだろうが、「全ての現れは、そのまま有意義である」と「宗教を認められない共産主義は何時までも存続させられない」とは矛盾でもなんでもない。後者のようなフィルターを通したものだから「全ての現れは、そのまま有意義」なのである。
 これでまた技術での来訪者が減った

 一方目を転じれば当所のオペレーターには技術ベテランもいるが、畑違いの所から職安の技術研修を受けて入ってきた人も居て、その人達のキャリアーアップも愁眉の急である。
そのような背景の中、この数日技術の基礎としてメモとして残して教育したい事柄が散発していた背景もあって、上記の啓示からの流れの幾つかの帰着点の一つとしてデイリー・テックの発行ということになったものである。
 例えば、「冷凍機メーカー作業員が水室扉のボルトを違う材質のものに変更している」「閉止した蒸気弁が漏れているというクレーム」「4号ボイラー押込圧低」などが立て続けに発生した。
これらを毎日1件メモ書きしてオペレーター教育に供しようというものである。毎日というのは厳しいと思うだろうがネタは幾らでもある。その都度とすると返ってずる休みをしてしまうからである。
 ブログの方にも、時々使わせてもらおう。
 ここ3日分は以下のようなものである。

 ******* デイリー・テック *******
                                          2009年6月3日

             AR-4水室蓋ボルトの材質について

 数年前から、メーカー作業員が「ボルトが齧った」と言っては何本か新しいボルトに入れ替えているが、新ボルトの材質が不明。
外見では単なる炭素鋼ではないか?

 本数が増えてきたら、耐圧にも問題が出てくるので、本社にこの材質で良いのか確認するように頼んだ。

結果、現在使用と同じ物を手配し、それに置き換えるということになった。

 現状使用のものは「SCM435」の記号が有るとおり、クロムモリブデン鋼という合金鋼(高張力鋼)で、炭素鋼の引っ張り強さを高めるために様々な添加元素を添加した合金である。

Steal_additive

 なお当所の圧力容器の蓋のボルトの応力は次のように、かなりバラツキがある。

 特にDTR前部水室(軟鋼だとしたら比例限界も越えている。1.77倍で切れる)で同様のことが行われたらかなり危ないので、注意しておく必要がある。

また片締めが有った場合も危ないので、作業員には注意する。

Bolt

 ******* デイリー・テック *******

                                        2009年6月4日

               蒸気停止ラインドレン排出の必要性

 客先から「蒸気停止中にもかかわらず蒸気圧が0.1MPa近く上昇している。閉止弁シートリークではないか。」と言う指摘があった。

閉止弁シートリークは無く、多量のドレン滞留があった。これによる熱量搬送とそれによる圧力上昇と思われる。

蒸気ライン停止後のドレン抜きが充分でなかったか、蒸気ヘッダー出入口弁の操作タイミングにより、蒸気出口母管のドレンが、入口側に逆流した可能性もある。

Heat_carry

 当所において蒸気ヘッダー放散弁に同様事象が認められ、5m以上はなれても熱かったが、ドレン配管を施工し、ドレン弁開運用としたところ発生しなくなった。
これは各自ラインを確認しておくこと。

また、ボイラー定修前蒸気配管ブロー時に、同様の事象がみられ、蒸気配管が完全にブローされるまで続いている。

 また、客先安全弁でも同様のことがあり、安全弁シートリークかと懸念されたが、安全弁放出管のドレンプラグを抜いたら、水が排出され暫くは再発しない。大雨が降ると放出管からの雨水の逆流か、再発することがある。
 大雨の後起こるようなら、この事象に間違いない。

 ******* デイリー・テック *******

                                         2009年6月5日

                         SB4ドラフト配管詰り

 SB4点火時、低燃焼位置付近で、押込圧低が発報しボイラーが点火しない状況が発生。

ダンパー開度・動作状況正常→プレッシャースイッチ動作正常→検出配管詰り

Sb4_ps

 他のボイラーでは当該配管は、ダクトの側面中間部から横引きとなっているが、当該ボイラーに関してはミキシングチャンバー最低部から下引きになっていて、4分配管が鉄錆で完全に閉塞していた。
 
 ドレン抜きと間違い、設計ミスと思われる。

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